1/20(木) 5:15配信
東スポWeb

初参加の監督会議を終え、オンラインで取材対応する日本ハム・新庄監督(球団提供)

 日本ハムの新庄剛志監督(49)が19日の12球団監督会議にオンラインで出席。会議後には春季キャンプでの試みを、報道陣に明かした。同監督はキャンプ期間中に就任直後から書き始めた本を選手らに配布、自身の野球観を徹底的に理解してもらうのと同時に、多方面から複数の臨時コーチを招聘してチームの底上げを図っていくという。様々な秘蔵プランで指揮官として初のキャンプに備えているビッグボス。想像以上に厳しいキャンプとなりそうだ。

「何か自分がここにいることが不思議な感じでしたね」

 オンラインとはいえ12球団の監督が一堂に会した監督会議。普段はド派手な衣装で登場する新庄監督もこの日ばかりはベージュのシックなスーツに身を包み、チームを代表する指揮官として真摯な対応で臨んだ。だが、会議後の取材で目前に迫った沖縄キャンプについて問われると、いつもの「新庄節」に豹変。「もう楽しみで仕方ない。いや、楽しみしかない」と笑みを浮かべながら来月1日から始まるキャンプについて語り始めた。

 まず明かしたのが自身の考えを詳細に記した本の配布だった。

 以前からビックボスは自身の野球観を選手やチーム関係者に理解してもらうため、ノートにまとめてキャンプで話す考えを示唆していた。その基礎となる本がついに完成したそうで「キャンプに入った初めてのミーティングの時に配ります。新庄剛志の考えはこうですよ、っていう本ね。70〜80ページかな。発売しないので皆さんはたぶん見られないんですけど、選手には(キャンプ中に)読んでもらいます。選手と球団スタッフの方たちに渡す。全部で400冊ぐらいだったかな」(新庄監督)。

 日ごろの破天荒な言動とテレビのバラエティー番組などで見せる姿で誤解されがちだが、野球に関しては現役時代からストイックに取り組んできた。それだけに選手やチーム関係者にはその理論や思考を正しく理解してほしい。そんな思いからキャンプ序盤は徹底してチーム内へ「新庄イズム」を浸透させるつもりだという。

 そのうえでキャンプでは多方面からの「応援」も受け入れる予定。それが野球界のOBではない臨時コーチの招聘だ。同監督によれば「相手のスケジュールもあるのでまだ言えないんですけど、今考えているのは8人」と明言。様々な分野のスペシャリストをキャンプ地に呼び、選手らに角度を変えた理論を植え付けていく。

「野球選手が野球選手OBから取り入れる脳と、野球選手じゃない本当のスペシャリストから学ぶことってちょっと考え方が違ってくると思うんですよね。その辺は僕がポイントだと思って。呼ぶ人を決めましたね」(新庄監督)

 こうなると受け入れる側の選手たちもより一層気を引き締めてキャンプに臨む必要が出てくる。これまでの日本ハムキャンプは個々の自主性を尊重。全体練習は他球団に比べて極端に短く、練習量は個人の裁量に委ねられていた。この影響で練習量不足に陥る選手も少なくなかったが、今キャンプからは「12球団で最も軽いキャンプ」から「最も厳しいキャンプ」に様変わりする可能性が高い。しかも新庄監督自身が「キャンプに行ったらもう休みはない。コミュニケーション取るためにコーチなんかとご飯行ったりゴルフ行ったりしたかったんですけど、僕はそれ、行けなくなりました」と無休キャンプ≠宣言したのだから選手は戦々恐々だろう。

「一軍、二軍ってつけたくないので僕はビック組とボス組ってつけたい」と指揮官が話すなど「横一線」のスタートで始まる日本ハムのキャンプ。早くもサバイバルの様相を呈し始めているが新庄監督は果たしてどんな「劇場」を演出していくのか。キャンプがますます見逃せなくなってきた。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/702b9c1a63d31cc6bcde38763b7af47d4b2ba23c