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彼がいま一番感じているのは子どもの読解力の低下だ。

「日本語が読めない人が多い」問題がネット上でよく話題になります。つまり、読解力が低いというわけです。次の例文はベストセラー『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社刊)の中に出てくる問題で、中学生の正答率は57%だそうです。

・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

以上の二文は同じ意味でしょうか。答えは違うわけですが、間違えても義務教育は卒業できるし、大人になって社会に出ることもできます。ということは、約半分の人はこの問題が解けないまま大人になるわけです。

文章が読めないまま社会に出ると、給料のいい仕事に就ける確率は低くなります。文章が読めない人=読解力がない=文字でコミュニケーションするのが苦手ということになります。つまり、デスクワークや管理職に就くのが難しいわけですね。結果、歳をとっても対面営業や接客、肉体労働系の仕事に縛られる可能性が出てきてしまうのです。

では、読解力を身につけるためにはどうしたいいか?

世間では読書や親子の会話を増やす、文章を要約する、正しく伝える訓練をするとか言われています。しかし、僕は本や小説など長い文章を読む癖をつけるだけでいいと思っています。読むものも子どもが興味を持って読める、例えばライトノベルでもいいでしょう。

 長い文章を読めば、その登場人物や状況など多くのことを頭の片隅に置きながら読み進めることになります。つまり、脳のメモリの使い方がうまくなると思うのです。もしくは短文であっても星新一のショートショートのような叙述トリック的な作品であれば、一字一句ちゃんと読んで意味を理解しないと内容を把握できないので、訓練にはいいかと思います。

要約とか正しく伝えるとかは、つまらなかった本について根掘り葉掘り聞かれても嫌になるだけなので得策ではないと思うので、子どもが話したがったら親が興味を持って聞いてあげるくらいでいいのではないか、と。うまくいけば曖昧な理解の部分を読み返したりするので読解力も身につきますし。

最近は短い文章が好まれていて、それはビジネスでも同じです。だからといって長い文章を読めなかったり、読解力がなくてもよかったりするわけではありません。長い文章が読めた上で短い文章でビジネスをする能力を身につける。そうしないと、将来的に厳しくなると思うのです。

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