フジテレビ系「バイキングMORE」が27日、新型コロナウイルス感染拡大の状況を伝え、医療がひっ迫しているにも関わらず病床が増えない状況を報道。元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は「決定的な問題点は、政治が責任を持った命令を出さないから」と断言したが、昭和大学医学部客員教授・二木芳人氏は「私は橋下さんのご意見にはかなり異論があります」と反論。命令の前に提案することが必要だと主張した。

 橋下氏は、政治側が一般のそのほかの治療については制限してもいいからコロナ患者の治療を優先させるとしっかり責任を持って示せば現場の医療従事者は動くとしたが、二木氏は「命令する前に提案をしなければダメ。医師会さんとか病院協会さんとか看護協会さんとか。そういう所と政府が、こういうふうな状況になるかもしれないと想定した上で準備をしておかなければいけない。いつも大きい波が来てから、慌ててその波を抑えにいくから失敗する」と、持論を展開。

 橋下氏は強い命令を出してコロナ病床を増やしているとしてイギリスを例に出したが、二木氏はこれにも「イギリスなんか大失敗した。あそこは50万人以上コロナで殺してる。それから、コロナ見るのに一生懸命になっちゃって、それ以外の病気でおそらくたくさんの人がまた死んでる。ですから、明らかに初期の対応に失敗した国ですから、あそこから学ぶことはそれほどない」とバッサリ。

 「今の日本の医療資源ていうのはいっぱいある」とし、「国がまとめてトータルで考えてきれいに分配する。役割分担させて連携させる。そういう仕組みを作らないとダメ。仕組みも作らずに『増やしてくれ、増やしてくれ。金出すから』と」と、お金ではなくシステム作りが必要だと話した。

 橋下氏は「僕は二木さんが言われてることも全く反対ではなくて、まさに仕組み作りがホントは必要だった」と、その点には同意。「仕組みを作ることは今後の課題、中長期的な課題としてやらなきゃいけないけれども、今目の前の東京都の医療ひっ迫を何とかしようと思えば、知事と田村厚労大臣が単純に要請するんではなくて、今の非常事態を避けるために一般医療これぐらい制限してでもコロナをこれぐらい当たってくれと」責任を持った号令をかけるべきだと再度力説した。

https://www.daily.co.jp/gossip/2021/08/27/0014628131.shtml