日刊スポーツ8/17(火) 22:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/39c305c82d5921ed50d1416696133c4882a41899

<全国高校野球選手権:大阪桐蔭7−4東海大菅生>◇17日◇1回戦

<記者の目>

午前7時59分の試合開始時は小雨だった。ネット裏の記者席にいたが、プレーボールに違和感はなかった。既に4日順延。完走も危ぶまれる中、大会本部が最低1試合はやりたいと思うのは自然だろう。問い合わせると「まずは日程通りやりたいですが、無理に突っ込むことはしません。開始時はできると希望を持ってプレーボールしました」との回答があった。

5回以降、雨が激しくなった。大会本部によると、プレーボールの可否は大会本部が決めるが、試合開始後は、審判団が続行・中断・コールドなどを協議する。だからといって、高校野球の試合成立条件である7回を超え、8回まで続行した末のコールドを、審判団の責任にしてしまうのは、あまりに酷。度重なる順延のことは当然、審判団の頭にもあっただろう。

もっとも優先すべきは、選手の安全だと考える。そのことに添って悪条件でも試合を続行した是非を考えた時、気になったシーンがある。5回裏に東海大菅生・本田が投球後に足を取られ、転倒した。2度もあったが、すぐに審判団がタイムをかけ、マウンドに土を入れてほしかった。プロでは、投手がアピールして整備が入るシーンを目にする。高校生がアピールするのはハードルが高い。大人が手を差し伸べたい。

直接、審判団を取材する機会がなかったので、推測でしかない。5回裏終了後の整備が目前だった。攻撃中にタイムをかければ、時間を取られ、試合成立がさらに危ぶまれるからか。あるいは、一方の投手の時だけ整備するのは不公平だからか。大会本部に問い合わせても、攻撃中のマウンド整備を控える規定があるかどうかは、分からなかった。おそらく、ないと思う。

スポーツにおいて、公平性はもっとも重要な精神の1つ。ただ、ケガのリスクを冒してまで守る理由はない。学生スポーツなら、なおさらだ。重ねて強調するが、決して審判の責任を問いたいわけではない。プレーを止めて、いつでも整備していい。そう大会本部で方針を固めれば済む話だと思う。【古川真弥】