お金とどう付き合うのが正しいのだろうか。論破王こと、実業家のひろゆきさんは「リボ払いをしない、ムダな保険に入らない、生活の維持費を低くするなど、出費に注意することに加え、一定程度の貯金をすることが重要です。経済的に恵まれず、お金の欠乏感を抱えている人は思考力やIQが落ちてしまう、という実験結果もあります」という――。

※本稿は、ひろゆき『ラクしてうまくいく生き方』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

■「貯金をしておきましょう」

 最近、お金がたいしてない人にまで投資をすすめる声が、メディアとかSNSを通して聞こえてきます。でも、僕からいわせてもらえれば、資産運用は1000万円以上お金を貯めてからでないと、リスクばかりでリターンがないと思うんです。

 古い考えに聞こえるでしょうが、投資よりも貯金をすすめます。ちなみに、僕が貯金をすすめる理由の1つに「考える力を落とさないため」というのもあるんですね。アメリカの経済学教授と心理学教授が、経済的に恵まれていないと、思考力が落ちてしまうという実験結果を発表しています(『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』(センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール/早川書房)。

 インドの農業地帯で、収穫前でお金が足りない状況の農民と、収穫後でお金に余裕がある状況の農民に対して知能検査を行いました。すると、正解率は、収穫後のほうが約25%も高かったそうです。この違いは、IQに置き換えると9〜10ポイント相当にもなる。お金の欠乏が知能に与える影響はどうやら大きいようなんですね。

 ただ、こんな実験を出さなくても、お金がない人ほど、パチンコや競馬などのギャンブルで一発逆転を狙ったりしますよね。さらに、「ぜったい儲かります! 」という明らかにウソな儲け話やマルチ商法にひっかかるのも、だいたいお金がない人たちです。

 つまり、お金がないと、カモにされやすいんですね。ある程度の貯金があると気持ちに余裕も生まれますし、ずる賢い人に騙されることも少なくなるはずなので、投資とかで増やすことを考えるよりも、まずは手堅く貯金しましょうね。

■「お金を稼ぎすぎないようにしましょう」

 みんな、働くのは生活するお金を得るためですよね。だれだって低収入よりも、高収入のほうがいいに決まっています。しかし、お金を稼ぐことに心血を注いでも、幸せになれるかどうかは、ちょっと別の話なんです。ノーベル経済学賞を受賞した心理学者が、おもしろい研究結果を発表しています。

 世論調査企業ギャラップ(Gallup)が2008〜09年に実施したアメリカ国民45万人分の「健康と福祉に関する調査」を分析して、「人生の評価」と「主観的な幸福感」について調べてみました。

 すると、「人生の評価」は年収と比例する一方で、「主観的な幸福感」は年収7万5000ドル(発表当時レート換算で約630万円)までは収入に比例して増えるのに対し、その額をこえてからは、関係なくなったそうです。

 つまり、年収と幸せが比例しなくなるんです。僕は、いまの日本に当てはめると、手取り年収400万〜450万円くらいが幸福と収入が比例しなくなる分岐点なんじゃないかと考えています。そのぐらいになると、それ以上がんばって働いても、それに見合うような収入アップにつながらないし、幸福度も変わらなくなるんじゃないでしょうか。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/ffb0cc46e5f7faec0eabaf07275f2ad23057537a
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210607-00046637-president-000-1-view.jpg