<練習試合:DeNA5−2ロッテ>◇23日◇横浜

ロッテ佐々木朗希投手(19)は、プロ2年目のシーズン開幕も2軍で迎えることになった。

実戦2試合目で、プロ入り後初めて先発マウンドに上がった。DeNA打線を球威で押し込んで5つのアウトを続けたが、内野安打から制球を乱し、連打と連続四球で2失点。2イニングで40球の投球だった。

井口資仁監督(46)は今季中の先発ローテーション入りを願っている。この日の投球について、ペナントで投げる1軍投手の観点では「まだまだじゃないですか。ストライク、ボールがはっきりしてる球もありましたし、そのへんをもう少し上げていかないといけないと思います」と評した。

一方で「そんなに打たれたという打球もないですし、2回をしっかり投げられたことは良かった」と背番号17を見つめた。腕や肘のコンディション不良もあり、1年目は肉体強化に専念した。ルーキーイヤーは終わり、舞台は本格的にマウンドに移る。佐々木朗も多くを吸収する。

「こうやって投げないと分からない部分もありますし、投げて課題が出てきたので。去年と違ってしっかり課題に向き合ってこれから練習ができると思うので。いま僕の全てを出し切ることはできないので、少しずつ成長していって、投げるたびによくなればそれがいいかなと思います」

40球のうち8球が変化球だった。その出来を問われると、こう答えた。

「ブルペンとは違った感覚があったので。ブルペンでいくら練習しても…意味なくはないんですけど、やっぱり試合でやってこそどんどんうまくなると思うので、そこはもう少し試合で投げて、そこを試合で経験したいなと思います」

6分半ほどの取材対応の中で「試合で」と7度も口にした。「試合じゃないと」「投げてみないと」というニュアンスの言葉も含めれば、優に10回を超える。「なぜ投げない?」という声も聞こえた1年目。試合で投げることに、自身が一番飢えていた。

首脳陣は、投手なら誰しもが持つ欲をコントロールし、2年目の公式戦デビューが狙える状況にまで導いてきた。もちろん、まだ育成計画の途上だ。井口監督は話す。

「ここまでは順調に来てるなと思ってます。その中でも他の選手よりは当然遅れているわけなので。そのへんをしっかりと。当然、1軍で(先発ローテで)回るまでは毎日キャンプみたいなものなので、しっかりと体力づくりを続けていってほしいと思いますし、投げられるから体力づくりが終わったというわけではないので。これからも引き続きファームでもしっかり体作りながら、肩も含めてですけど、しっかり作ってもらいたいなと思います」

育成計画を中心で担う井口監督、吉井1軍投手コーチらのもとを離れ、イースタン・リーグ公式戦のマウンドで経験を重ねる。指揮官は「100球は最低でも投げてもらわないと上に上がれない。自分の中である程度完成させて上がってこないといけないなと思います」と1つの目安を示した。急がずに、そのレベルまで高めていく。

最速163キロを誇る、未来のエース候補だ。シーズン開幕直前に2度のチャンスが与えられた。次は可能性や将来性でなく、ペナントレースの貴重な1試合を託せる先発投手として、実力でつかみとらなければならない。露呈した課題は「試合で練習していければ」と言葉を強くする。投げて投げて、はい上がる。【金子真仁】

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f0aad54f9c072cf2424b969bad98b61c5e83ee7
3/23(火) 19:23配信