のん脚本・監督・主演映画『Ribbon』2021年公開決定 コロナ禍の美大生をテーマに描く
公開日:2021/3/19 10:00
https://www.crank-in.net/news/87502/1
映画『Ribbon』場面写真(C)「Ribbon」フィルムパートナーズ
https://www.crank-in.net/img/db/1460401_650.jpg
https://www.crank-in.net/img/db/1460402_650.jpg
https://www.crank-in.net/img/db/1460404_650.jpg


 女優ののんが脚本・監督・主演を務める映画『Ribbon』が2021年に公開されることが決定し、場面写真とメイキング写真が解禁された。併せて、樋口真嗣監督が演出を務めた3篇からなる本作の応援PV『映画と生きる 映画に生きる』も公開された。

 監督・のんによる初の劇場長編作品となる映画『Ribbon』は、コロナ禍により未来を奪われた美大生の再生の物語。表現の術を奪われ、自分のやるべきことを見つけだせずに葛藤する美大生(のん)が、鬱屈とした現状を持ち前のパワーで痛快に打破していく姿を描く。のんが監督を務めるのは、YouTubeオリジナル作品『おちをつけなんせ』(2019)に続き、本作が2作目。特撮を、『シン・ゴジラ』の監督・特技監督の樋口真嗣と、准監督・特技統括の尾上克郎という豪華タッグが務めている。

 本作の見どころのひとつが、のん発案による“リボンアートによる感情表現”。主人公のさまざまな感情の流れを、カラフルなリボンで表現している。時には鋭く尖り、時にはしなやかに踊るようなリボンの動きを、樋口と尾上による特撮チームが圧巻の映像に仕上げている。

 コロナ禍の2020年。いつか(のん)が通う美術大学でも、その影響は例外なく、卒業制作展が中止となった。悲しむ間もなく、作品を持ち帰ることになったいつか。いろいろな感情が渦巻いて、何も手につかない。心配してくれる父や母とも衝突してしまう。妹のまいもコロナに過剰反応。普段は冷静な親友の平井もイライラを募らせている。こんなことではいけない。絵を描くことに夢中になったきっかけをくれた田中との再会、平井との本音の衝突により、いつかの心が動く。未来をこじ開けられるのは、自分しかいない―。

 のんは「昨年、新型ウイルスが蔓延し始め、私自身が主催する音楽フェスを開催直前に中止の決断をしました。あの時の悔しさは忘れられません。そして、1度目の緊急事態宣言による自粛期間を過ごしながら、音楽や映画や舞台などのエンタメや芸術の優先順位が下がっていくのをひしひしと感じていました」とコメント。

 続けて「その中で改めて気付けたことは、自分は見てきたエンタメや音楽やアートによって支えられているということです。どんどんその思いが強くなって、いてもたってもいられず脚本を書き始めました。作品の主人公を自分の憧れである美大生にしようと決めてコロナ禍の美大生の方たちの状況を調べ始めました。そして、美大生の方たちの卒業制作を取り上げた記事を見つけました。そこに書かれてあった『時間をかけて作ったものがゴミのように思えてしまった』というインタビューが、あまりに衝撃的で。自分の悔しさにも共鳴して膨れ上がって、この無念をなんとか晴らしたいと、脚本を書き進めていきました」と本作を制作したいきさつを明かし「コロナ禍で擦り切れた思いを、少しでもすくい上げるような映画になったら…。心を込めて作った映画です。みなさま、ぜひお楽しみにしていただけたら嬉しいです」とメッセージを寄せた。

 そして今回、『Ribbon』の応援PVとして制作された、3篇(「風篇」「炎篇」「雨篇」)からなるスペシャル映像『映画と生きる 映画に生きる』も解禁。同映像は、映画『Ribbon』に特撮として参加している樋口監督が、日本映画専門チャンネルとタッグを組んで制作した。

 過酷ながらも情熱的な映画撮影現場の裏側と、いかなる状態になろうとも被写体を見つめ続ける“監督・のん”の様子をダイナミックに描いたもので、のん監督を支える映画スタッフ役を、緒方明、尾上克郎、犬童一心、片渕須直、白石和彌、市井昌秀、沖田修一、枝優花ら映画監督が演じている。また、このスペシャル映像でのんはナレーションも務めており、日本映画史に名を刻む監督たちが遺した名言を印象的に読み上げている(風篇:今村昌平/炎篇:岡本喜八/雨篇:深作欣二)。

 映画『Ribbon』は2021年公開予定。

【映画「Ribbon」応援スペシャル映像】「映画と生きる 映画に生きる」(炎篇)45秒
https://www.youtube.com/watch?v=EYKNxOSgi0Q