3/13(土) 13:12
文春オンライン

『小学一年生』の長竹俊治編集長

「ピッカピカの一年生〜♪」

 30代以上の人たちは、一度はテレビCMで耳にしたことのあるフレーズではないだろうか?

 1978年から放送が始まり、十数年にわたって日本全国津々浦々の新小学1年生を登場させてきた小学館の児童学習誌『小学一年生』のテレビCMである。実はそんな懐かしいCMが、昨年度、約25年の時を経て復活している。

「去年は雑誌が創刊95周年という節目の年でしたし、『小学1年生らしさってなんだろう?』というのを改めて考えたんです。まだコロナ禍の前でしたけど、最近は世の中の流れの中に物事の『本質性』みたいなものが問われているように感じていました。そこで『小一らしさ』を深掘りした時に、象徴的だと思ったのが『ピカピカの一年生』の CMだったんです。懐かしさもあったのか、視聴者の反響もすごく良かったですね」

 そう語るのは、『小学一年生』の編集長を務める長竹俊治さんだ。

雑誌作りの中心は「読者である子どもたち」
 実はそんな温故知新なCMの成果もあってか、現在『小学一年生』は凄まじい快進撃を見せている。雑誌不況が叫ばれ、コロナ禍で書店への人出も減っている状況にもかかわらず、昨年来好調な売れ行きを維持し、最新号は昨年比で130%を超える実売予測を叩き出しているという。

 では、なぜいま児童学習誌なのか。なぜいま『小学一年生』は売れるのだろうか――。

 そんな問いを長竹俊治編集長にぶつけると、返ってきた答えは実にシンプルなものだった。

「やっぱり雑誌作りの中心に、読者である子どもたちを置いたことだと思います。そもそも児童学習誌は、他の本と違って読む人とお金を出す人が違うんです」

 実際に雑誌を読むのは子どもたちだが、そのお金を払うのは親たちだ。だからこそ、作り手側も、どちらに向かってボールを投げればいいのかが難しいのだという。

「もともと私はファッション畑出身ということもあって、編集部に来た当初は『お金出すのは親御さんだし、親にウケるような形の雑誌の方がいいんじゃないか』という意識があったんです」

児童学習誌の理想は「オーガニックのお菓子」?
 雑誌のデザインは、もっとスタイリッシュにできるんじゃないか。児童学習誌とはいえ、もっとカッコよく、アートな雰囲気にできるんじゃないか。そんなことも考えていたのだという。

「でも、結局やってみてわかったのは、やっぱり子どもにウケないとダメなんです。大人にとっての『上質』を単に押し付けても全然、響かなくて。子どもにウケる要素が中心にあって、その上でそのまま与えるのではなく、デザイナーは一流のデザイナーを使うとか、コンテンツメーカーはプロフェッショナルに頼むとか、そういうことを意識するようになりました。やっぱり子どもが『買いたい!』と言わないと、親御さん、絶対にお金は出さないんです。なにより子どもに選ばれないとダメなんですよね」

 一方で、ただ楽しいだけのもので終わってはいけないのが雑誌の難しい部分でもあるという。

全文はソース元で
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210313-00044021-bunshun-000-1-view.jpg
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7649b3871b0cdab6306fe1a2f1fd0763a1ac9ec