ヤクルトは25日、国内フリーエージェント(FA)権を行使した小川泰弘投手(30)の残留を発表し、東京・北青山の球団事務所で4年総額7億5000万円の契約を結んだ。去就に悩む中、夢に山田哲人内野手(28)が登場したエピソードを明かし「苦楽をともにした仲間と、もう一度優勝して喜びたい気持ちが強かった」と決断の理由を語った。

 FA宣言後から約3週間、悩み抜いて残留の決断を下した。来季以降もスワローズのユニホームでプレーすることになった小川が、球団への思いを自ら切り出した。

 「迷い、悩んでいる中で優しく接してくださった(球団取締役の)原田(要)さん、(チーム運営部長の)斎藤(充弘)さん、本当にありがとうございました。2人のおかげでここに立てていると思います」

 日本ハムが獲得に乗り出しており「最後の最後まで悩んでいました」。それでも入団から8年間プレーした愛着のあるヤクルトと総額7億5000万円の4年契約を締結。決め手の一つに、山田哲の存在があったことを明かした。

 「(今月10日頃に)リーグを変えて戦いたいと気持ちが動いた瞬間もありましたが、その(揺れ動いた)日の夜に山田哲人の顔が夢に出てきました」

 当時の様子を思い出しながら「アップで顔がパンっと。こわっ!と思いました」と周囲を笑わせた。2歳下の山田哲から受けた“残留要請”。「苦楽をともにした仲間と、もう一度優勝して喜びたい気持ちが強かった」と絆を再確認した。

 ヤクルトは今季、国内FA権を取得した山田哲と小川、抑えの石山がいずれも残留。燕党ファンにとってクリスマスプレゼントとなった。

 来季の開幕投手の筆頭候補でもある小川は優勝と2年連続の2桁勝利を目標に掲げ、「哲人とも協力して引っ張っていきたい」と自覚を口にした。(横山尚杜)

12/26(土) 5:00
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