日本のエースと4番が早くも、海の向こうで注目を集めている。ソフトバンクの千賀滉大(27)と広島の鈴木誠也(26)である。

 18日、侍ジャパンのスタッフ会議が行われ、180人以上の代表候補をリストアップした。来夏、東京五輪が予定通り開催されれば、千賀はエース、鈴木は4番として起用される可能性が高い。

 2人はかねてメジャー志向が強く、メジャーからの評価も高い。このオフ、巨人の菅野、日本ハムの有原、西川の3人がポスティング申請を行っているが、複数のメジャー関係者は、「現時点で日本人選手で最も評価をしているのは彼ら以上にセンガとスズキ」と口を揃える。千賀は球威がある速球とフォークを持ち、鈴木は走攻守三拍子揃っている。メジャー好みの“武器”を兼ね備えている上に、年齢が若いことも評価を押し上げる要因になっている。

「投手はダルビッシュや田中将大など成功例が多い。千賀を獲得するためには、6年100億円規模の条件を用意する必要があるだろう。鈴木は野手ということもあるが、打撃だけでなく、守備や走塁のレベルも高い。秋山が昨オフ、レッズと結んだ3年23億円を大きく超える契約を結べるのではないか」(米球界関係者)

 千賀は今季、前半戦こそ不調に悩んだものの、終わってみれば最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠を獲得。日本シリーズでは、昨オフ、一緒に自主トレを行った菅野との投げ合いを制した。

 もっとも、いくら千賀がメジャーに行きたいと思っても、肝心の球団がポスティングを認めていない。海外FA権の取得は最短で23年オフになるが、ソフトバンクOBはこう言う。

■菅野に刺激

「球団は千賀を納得させるためにも、今年の契約更改で年俸3億円からの大幅増を提示するでしょう。ただ、千賀は昨オフ、球団にポスティング容認を直訴しているだけでなく、尊敬する菅野がポスティングを申請、メジャー挑戦をすることに大いに刺激を受けている。東京五輪にメジャーリーガーは参戦しませんが、国際大会の舞台で活躍すれば一層、メジャー熱が高まるはず。そこにファンの後押しが加われば、状況が変わる可能性もゼロではない」

メジャー挑戦の準備着々
一方の鈴木は、着々とメジャー挑戦の準備を進めている。

 昨オフに元新体操日本代表の畠山愛理と結婚。今春、その畠山が所属するマネジメント会社と契約した。その会社は元メジャーリーガーの上原浩治氏が在籍しており、バックアップには事欠かない。前出の米球界関係者がこう言う。

「広島は過去に前田健太や菊池涼介のポスティングを容認しており、早ければ来オフにも、認められると聞いています。本人もかなり前向きだという感触も得ている。昨年のプレミア12では日本の4番として、大会を通じて打率、本塁打、打点、得点の4冠を獲得。素質はもちろん、高い対応力も見せた。東京五輪を視察できれば、特に注目をしたい選手です」

 メジャーは今年、コロナ禍により日本国内の視察がかなわず、過去の評価の蓄積と、試合映像やデータで選手の評価を下す必要があった。東京五輪が有観客で開催されれば、各球団の編成幹部が千賀と鈴木のプレーを直接見て、評価を下すことができる。日本のエースと4番は来夏、メジャーからひときわ、熱視線を送られることになりそうだ。

12/22(火) 11:10
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鈴木誠也 成績