[11.17 国際親善試合 日本0-2メキシコ グラーツ]

 日本代表は17日、国際親善試合でメキシコ代表と対戦し、0-2で敗れた。W杯7大会連続ベスト16の強豪を相手に前半は主導権を握ったが、決定機をことごとく決め切れずにノーゴールで終えると、後半は圧倒され続けて防戦一方。ゴール前で勝負強さを見せた相手に2失点を喫し、2020年最終戦を黒星で終えた。

 オーストリア・グラーツ遠征の第2戦はFIFAランキング11位のメキシコと対戦。相手の前線にはFWラウール・ヒメネス、FWイルビング・ロサーノといった欧州主要リーグでプレーする選手も並ぶ中、日本は13日のパナマ戦(○1-0)から先発9人を入れ替え、DF吉田麻也とMF柴崎岳のみ連続で先発に入った。

 布陣もパナマ戦の3-4-2-1からメインシステムの4-2-3-1に変更。GKにはシュミット・ダニエルが入り、4バックは右からDF酒井宏樹、吉田、DF冨安健洋、DF中山雄太。ダブルボランチは柴崎とMF遠藤航が組み、2列目は右からMF伊東純也、MF鎌田大地、MF原口元気。1トップはFW鈴木武蔵が起用された。

 立ち上がりはメキシコが主導権を握り、日本は防戦一方。それでも人数をかけた守備ブロックで相手にシュートを許さず試合を進めると、前半10分ごろからは一気に形勢が逆転した。まずは同10分、伊東のパスカットから左サイドまで走って攻め込み、原口にボールをつなぐと、細かいドリブルからエリア内を打開。最後は鎌田の折り返しが鈴木に合わなかったものの、最初の決定機をつくった。

 さらに日本は前半12分、鎌田のサイドチェンジから原口の強烈なミドルシュートでGKギジェルモ・オチョアを強襲。15分には、遠藤の縦パスを鎌田がつないで左に送ると、原口の折り返しに鈴木が反応し、GKと1対1の状況をつくった。だが、シュートはオチョアがスーパーセーブ。跳ね返りのボールを狙った伊東のボレーもオチョアに阻まれ、先制の絶好機は活かせなかった。

 引き続き攻める日本は前半16分にも、冨安が高い位置までせり出してボールを奪い切り、伊東のミドルシュートにつなげる。その後はメキシコもペースを取り戻したが、相手のカウンター攻撃には日本の守備陣が素早い帰陣で危機管理し、安定した内容で試合を進めた。

 前半40分には、酒井のスライディングがファウルを取られ、ゴール右斜め前でFKを与えてしまうピンチも。だが、MFカルロス・ロドリゲスのキックに頭で合わせたDFエクトル・モレーノには酒井がしっかり身体を寄せて対応し、味方ゴールキックでプレーを切ることに成功した。

 前半はそのままスコアレスで終了。日本は決定機を多くつくっていただけに先制点を奪えなかったことは課題として残ったが、北中米の強豪を相手に前向きな45分間を展開した。狭いスペースでもボールを奪われない鎌田や、相手のカウンターに数的不利な対応を迫られてもパスコースを消しながらボールを奪い切った遠藤、自慢のスピードで相手の最終ラインを混乱させた伊東ら、個人の質の高いプレーも随所で見られた。

 後半開始時、メキシコはDFヘスス・ガジャルドとMFカルロス・ロドリゲスに代わってDFルイス・ロドリゲスとMFエドソン・アルバレスを投入。4-3-3から4-2-3-1にシステムも変えてプレッシングのギアを上げると、日本がビルドアップで苦労する場面が増加した。同10分すぎにはロサーノが右サイドの突破からマイナスのクロスを送り、後方から走り込んだMFルイス・ロモがシュート。これは吉田がヘディングでクリアした。

 やや劣勢となった日本は後半11分、柴崎と鈴木に代わってMF橋本拳人とMF南野拓実を投入。南野はパナマ戦と同じく1トップの位置に入った。ところがその後も劣勢は変わらず、ピッチ上には徐々に深い霧が立ち込める中、ゴール前に危険なボールを入れられる形が続発。15分には自陣右サイドからのFKをヒメネスに合わせられ、あわや失点というピンチを招いた。

 後半17分にも立て続けにシュートを放たれ、日本守備陣はなんとかシュートブロックで持ちこたえる形。そして18分、ついにメキシコが先制点を奪った。左サイドからの浮き球のパスをMFオルベリン・ピネダが収めてヒールで落とすと、反応したのはウォルバーハンプトンで今季プレミアリーグ4得点を挙げているヒメネス。ルーレットで吉田をかわした背番号9は鋭い右足トーキックでゴールマウスに流し込んだ。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a17f0f45d5bfc185ef68a9e88210c8cde64da4c