福岡ソフトバンクの内川聖一内野手(38)が今季限りで退団することが27日、決定的となった。プロ20年目の今季は2軍で3割4分の高打率を残しながらここまで1軍昇格なし。ポストシーズンも出場機会を得ることは難しく、来季の戦力構想からも外れていると自ら判断し、現役続行を模索してこの日までに球団へ退団の意向を申し入れたもようだ。

 2010年オフに横浜(現DeNA)からフリーエージェント(FA)移籍し、4度のリーグ制覇、6度の日本一に貢献。球団側は功労者として本人の意思を尊重するとみられる。

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 内川が今季限りでホークスに別れを告げる。横浜からFAで加入し、迎えた節目の10年目。チームは3年ぶりにリーグ制覇を果たしたものの、自身はシーズンを通して一度もその輪に加わることができなかった。

 今後、チームはクライマックスシリーズ、日本シリーズと4年連続日本一へ向けた大事な戦いを控えるが、現状のチームで自身が出場機会を得ることは難しいと判断。現役続行とともに退団の意思があることを球団側へ伝えたもようだ。

 プロ20年目の今季、内川は新型コロナウイルスの影響で調整に苦しみ、横浜時代の03年以来となる開幕2軍スタートとなった。ただ、いかなる状況でも「野球に対して失礼のないようにしたい」との信念のもと、2軍戦でも常に全力プレー。出場40試合で3割4分の高打率を残すなど、現役最多2171安打を誇る高度な打撃技術を示してきた。

 しかし、自身が本職とする一塁ではプロ6年目の栗原が台頭するなどし、1軍昇格のチャンスを与えられなかった。また、グラシアル、デスパイネのキューバ勢に加え、今季はバレンティンも加入。激化した競争に押し出されるような形で戦力となれなかった。

 シーズン終盤、2軍で格の違う打撃を見せていた自身について、工藤監督が「打っていないということはないが、2軍からも、1軍に上げるんだったらという中で名前が挙がってきていないのが現状。僕もなかなか現状として難しいかなと思う」と説明していたこともあり、置かれた状況を理解。プロ20年間で1軍戦未出場はなく、身の振り方を考えるに至った。

地元九州にFA移籍し看板選手 「11・1」ソフトバンクで最後の勇姿か

 大分出身の内川は、地元九州に戻った移籍1年目の2011年にいきなりリーグMVP。チームの看板選手として活躍してきた。今後、来季の戦力構想を練ることになる球団は希代のヒットマンの決断を最大限に尊重するとみられる。また、退団が決定しても功労者として高く評価しており、今後についても全力でサポートすることになりそうだ。

 現在も2軍で調整を続ける内川は、11月1日に本拠地タマホームスタジアム筑後で迎える阪神とのウエスタン・リーグ最終戦に出場予定。この試合が「ホークス内川」として臨む最後の試合となりそうだ。

西日本スポーツ

10/28(水) 3:00
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