川崎フロンターレが、強すぎる。

 8月にリーグ新記録の10連勝を達成したかと思えば、再び連勝街道を突っ走り、今度は11連勝でレコードを塗り替えた。リーグ戦の3分の2にあたる24節が終わった段階で、実に65の勝ち点を積み上げ、2位のセレッソ大阪とは17ポイントの差が開いている。

さて、フロンターレはどれほどに強いのか。繰り広げているサッカーの質もさることながら、その勝利数の突出ぶりは数字に表してみるとさらに説得力を増す。

例年ならセレッソ、FC東京も……
 21勝2分け1敗。文字通りの圧倒的独走状態。ここで10月19日時点での順位表を見てみよう。

<勝ち点>
65 川崎フロンターレ(24試合消化)
48 セレッソ大阪(24試合消化)
47 FC東京(26試合消化)

 2位・セレッソ大阪との勝ち点差は17。2位以下が結果を残せていないんじゃないの? と見る向きもあるかもしれないが、それは違う。

 昨年の第24節終了時点でのトップは勝ち点49のFC東京。鹿島アントラーズが勝ち点45、最終的にチャンピオンに輝いた横浜F・マリノスが同42と続いていた。2018年の同時点を振り返ってみても、サンフレッチェ広島が勝ち点52で首位を走り、川崎が同47で追走。そこからさらに6ポイント離れてFC東京と北海道コンサドーレ札幌が追う展開だった。

 今季のセレッソやFC東京は、十分に優勝争いの主役となり得る成績なのだ。“例年”ならば。

「負けも分けもしない」恐ろしさ
J1における最多勝ち点)

 18チームの現行方式になった2005年以降のJ1における1シーズンの最多勝ち点は、2015年に広島が、また翌年に浦和レッズが記録した「74」となっている。一方でガンバ大阪が勝ち点60で頂点に立った2005年を筆頭に、優勝ラインが勝ち点60台中盤に落ち着いたシーズンも少なくない。

 フロンターレがここまで獲得してきた勝ち点「65」は、やっぱり明らかに異常なペースといえる。

 昨年のフロンターレは負け数がリーグ最少の6だったにも関わらず、リーグ最多となる12度の引き分けを経験し、時に勝ち点2を取りこぼしていた。前半戦に記録した15試合連続無敗も、5つの引き分けが含まれている。

 開幕から19試合無敗を続けた2015年のレッズだって、そのうち6試合はドローに終わっていた。それでも十分すぎる数字だった。

 今季のフロンターレがちょっと異常なのだ。いや、圧倒的におかしい。

 「負けない」ではなく、「負けも分けもしない」。そんな常勝軍団が、2020年のJ1を席巻している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ae7f82eec825ae81b10f8f59977e2691fe83cea6
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