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昨年10月のインタビューだった。

「すべての久保(建英)のプレーを見てないから、詳しいことは言えない。レアル・マドリードでのプレシーズン、カスティージャ、そしてマジョルカの試合も少しだけ見た。『才能はあるか?』と聞かれたら、『間違いなくある』と答える」

【動画】久保建英がレアル戦で見せたドリブル突破
https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/contents/eplayer/video/ve19xp105ca516g8f1yiprzfe.php

 かつてレアル・マドリードで"将軍"と言われたシャビ・アロンソは、そう言って続けた。

「戦える選手かどうかは、これからピッチに立って、久保自身が証明するしかない。チームを勝たせる貢献ができるか。そこがカギになる。違いを出せる選手ではあるから、焦らず、少しずつ前に進むべきだね。彼が持っている才能をピッチで出せるようになったら、自ずと結果は出るはずだ」

 今なら、アロンソはどう答えるだろうか?

 世界に冠たるマドリードを相手に、マジョルカの選手として挑んだ久保建英(19歳)は、堂々たるプレーを見せつけた――。

 6月24日、ディ・ステファノスタジアム。レアル・マドリード戦に、久保は2トップの一角で先発している。

試合開始直後から、攻撃を背負う選手としての決意が見えた。縦パスを引き出すと、後ろからセルヒオ・ラモスに潰され、ファウルを得る。相手から警戒されている証左だ。

 4分、右サイドでスローインを受け、滑らかなターンで相手ディフェンスを外す。絶妙なためを作って右サイドの裏に抜けたダニ・ロドリゲスの足元へ、スルーパスを通した。その後も深みを作ってシュートを演出し、アンテ・ブディミルが落としたボールを右足で強引にシュートに持ち込み、短いパスを何度も通し、プレーの渦を作った。

 マジョルカの優勢を、久保が牽引していた。

 しかし18分、マジョルカはカウンターを防がれると、逆にカウンターを浴び、ヴィニシウス・ジュニオールに先制点を許す。トランジションの精度と決定力で差をつけられた。ほぼ一瞬で、リードを許すことになった。

 だが、その後も久保はボールを引き出し、レアル・マドリードを脅かした。とにかくボールを奪われない。ステップ、ボールタッチが細かいため、プレーの選択を急に変えることが可能で、次のプレーを読ませず、読まれた場合も巧妙に誘い込んで、逆を取った。

 特筆すべきは、ターンの美しさと無駄のなさだろう。コンパクトで俊敏、コース取りも抜群。相手に付け入る隙を与えない。三方から囲まれながら、簡単に前を向いていたが、そのプレーは圧巻だった。

つづく

6/25(木) 17:10 スポルティバ
https://news.yahoo.co.jp/articles/252c466dff1cadf55462e188843d5cf4e7a7efdb?page=1