「今年の1月〜4月は地獄でした。激しい目まいと強烈な吐き気で、起き上がることもできない。ずっと寝たきりです。
2月には心臓が止まったこともあります。意識がフワッ〜とし、気づいたら病院で人工呼吸器をつけていた。幸い一命をとりとめましたが、死を明確に意識しました」

こう語るのは、90年代に毎日のようにバラエティ番組に出演していた僧侶の織田無道氏(67)だ。

織田氏は現在、末期ガンと闘っている。大腸、直腸、肝臓、肺、胃など全身25ヵ所に転移。
激しい痛みに悩まされることもあると言うが、往年の張りのある声と鋭い眼光は失っていない。怪僧・織田氏がガンとの壮絶な闘病を明かすーー。

「最初に異変に気づいたのは、2年前の3月です。右ヒザが痛むので、かかりつけの病院に行きました。血液まで取り診断しましたが『何ともない』とのこと。
ただ、しばらくしても痛みは治りません。そこで6月に大学病院でレントゲンを撮りセカンドオピニオンを受けたら、医者が神妙な顔でこう話すんです。

『ガンが全身に広がっています。余命1年です』と。

ステージはW……。頭が真っ白になりました。私は肉も女性も酒も好む坊主として、精力的に生きてきました。まさか自分がと……」

織田氏は、別のいくつかの病院でも診察を受ける。だが、結果は同じだった。

「どこの医者からも、言われることは一緒でした。『ストレートに言います。手術や抗ガン剤治療をしても手遅れです。持って1年半でしょう』と。
レントゲン写真を見ると、肺などガン細胞で真っ白。医者もお手上げ状態だったんです」

医学による治癒を諦めた織田氏は、一時期、民間療法に頼った。漢方薬の調剤師、知人の僧侶、超能力者……。
様々な“専門家”から意見を聞き、サプリメントやワクチンなど、あらゆる療法を試した。

「全部で3000万円ぐらいつぎ込んだかな。1本2万円の謎のドリンクを、毎日飲んだこともあります。服用した直後はなんとなく体調が良くなった気になりますが、大半はハッキリとした効用なんてありません。
ほとんどが詐欺のようなものだった…と私は思っています。藁にもすがる思いのガン患者を、カネ儲けの手段にしている悪い人たちもいるんです。

私自身もいけなかった。いろいろな人のアドバイスを聞いて、自分を見失ってしまったんです。
ある専門家は『肉を食ったほうがいい』と話し、別の人間は『肉などもっての他』と言う。周囲の意見に振り回されていました」

◆夢に親が現れ死を実感

ガン告知前は100kgほどあった体重は、70kg以下にまで落ちてしまう。
体調は一進一退だったが、「ガンに負けてたまるか」という気力は徐々に失せていった。

「ある人の勧めで、身体にイイからと蕎麦ばかり食べていたんですが、するとどんどん体重が落ちてしまってね。
そこで好物のメンチカツを食べたら、下痢になってしまった。
専門家からは『ガンのせいだ』と言われましたが、冷静に考えると当然のことです。久しぶりに脂分の多いモノを食べ、身体がビックリしただけのことでしょう」

しだいに寝たきり生活となる。病床でも奇妙な夢を見るようになった。

「亡くなったオヤジやオフクロが、夢に出てくるようになったんです。死を実感するようになりました。『親が招いている。あぁ、オレもいよいよかな』と。同時にこうも思った。
『このままガンに負けてしまうのか。悔しいなぁ。最後は僧侶として自分の生き様が正しかったのか、試してから死にたい』、と」

https://news.yahoo.co.jp/articles/628d2bb7ab38f40fc1d3b17116910d15b2e30d20
5/27(水) 11:02配信

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