仏映画サイトユーザーが選ぶ、「ジブリ作品ランキング」
2020年5月5日 11:00
https://eiga.com/news/20200505/3/

[映画.com ニュース] 今年2月から、日本、アメリカ、カナダを除く世界約190の国と地域のNetflixでスタジオジブリ作品が視聴可能となった。世界各国で子どもから大人までを魅了するジブリ作品に対して、このほどフランスの最大手映画情報サイトallocineが、ユーザーによる人気作品ランキングを発表した。ランキングは、4月9日午後6時(現地時間)までに、0〜5でなされた評価の平均値と評価人数で算出。ランキングと、各作品へのコメントを引用して紹介する。

●1位「千と千尋の神隠し」(2001) 4.4 / 5 (3万3923人が評価)

仏版タイトルは「LE VOYAGE DE CHIHIRO」(千尋の旅)。「千尋は日本の伝統的価値観を中心とした『不思議の国のアリス』のような“イニシエーションの旅”に乗り出す。子どものキャラクター設定が巧妙で、千尋が感じるノスタルジーは、むしろ描き方としては新しい。視覚的にも壮大で、第75回アカデミー賞長編アニメーション映画賞と第52回ベルリン映画祭金熊賞を受賞したこの作品は、子どもたちにとって良い価値観を守り、かつ現代社会を批判しています。宮崎駿監督の才能に触れる最初の作品として最適です」

●2位「もののけ姫」(1997) 4.4 / 5 (2万8507人が評価)

「もののけ姫は、神話や伝説を通して、平和、人災から環境を守ることを提唱する力強い哲学的な寓話です。久石譲の音楽が、強く感動的なヒロインを称えるこの壮大なフレスコ画を昇華させている」

●3位「火垂るの墓」(1988) 4.4 / 5 (1万9043人が評価)

「高畑勲監督の最も完成度が高く感動的な本作は、大人の繊細な傑作であり、人は無傷ではいられない。この映画は、より成熟した観客のおかげで、長編アニメをカルト映画のような特別な地位に押し上げた」

●4位「かぐや姫の物語」(2013) 4.4 / 5 (2845人が評価)

「『かぐや姫の物語』は、『ホーホケキョ となりの山田くん』の形式を受け継ぎ、スケッチのように不規則な鉛筆の線と水彩色で描かれている。高畑勲監督は完璧な表現ではなく、記憶の呼び起こしを追求している。驚くほどの精巧さと繊細さを持つこの形式から、深い哀愁が浮かび上がってくる。高畑監督の究極の傑作」

●5位「ハウルの動く城」(2004) 4.3 / 5 (2万1950人が評価)

あらすじのほか、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作のファンタジー小説について、当初は細田守監督が手掛ける予定だったと解説されている。

●6位「天空の城ラピュタ」(1986) 4.3 / 5 (1万9672人が評価)

「ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』からインスピレーションを得た作品。宮崎監督が旅した、英国ウェールズ地方の風景が取り入れられている。当時の鉱山労働者によるストライキから、この映画の主人公2人の勇気と連帯を想像するようになったという。彼のフィルモグラフィーによく見られるように、宮崎監督の人格的特徴が映像詩の背後に表れている」

●7位「となりのトトロ」(1988) 4.3 / 5 (1万4766人が評価)

「誰にでも親しみやすく、詩的で、繊細で、幻想的な作品です。遊び心のあるカラフルな冒険を発見できます」

●8位「風の谷のナウシカ」(1984) 4.2 / 5 (9177人が評価)

「宮崎駿は、理想主義的で情熱的なヒロインと、この崇高な生態学的寓話を私たちに与えてくれました。そして久石譲の豪華な音楽によって昇華された、美しさと灼熱の闇を併せ持つ作品です」

●9位「思い出のマーニー」(2014) 4.2 / 5 (1773人が評価)

「2014年にジブリ単独で構想された最後の長編作品で、前作『借りぐらしのアリエッティ』を成功に導いたノスタルジーに満ちています」

●10位「耳をすませば」(1995) 4.2 / 5 (511人が評価)

「当時、宮崎駿の後継者として期待されていた近藤喜文が生前に製作した唯一の監督作品」