◆伝説のアニメ『あしたのジョー』の矢吹丈役に!

1970年、あおいさんは、アニメ『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈の声で出演。放送直後から話題を集め、後世まで語り継がれる伝説のアニメ作品となった。

「僕は最初断ったんですよ。歌を封印するつもりだったというのと同じように、今の時代と違って、あの時代は俳優と声優というのは全く別の分野でしたからね。

でも、プロデューサーの熱意と、小学校のときから試合を見に行っていたくらい僕はボクシングが大好きなんです。

『あしたのジョー』は『少年マガジン』に連載されていて、僕は毎週読んでいたんですよ。

だから、ジョーのファンでしたからね。それもあって、『やっちゃえ』って(笑)。

収録の初日の第一声から、すでにジョーは僕のなかにいました。僕はこの作品でアテレコをやったつもりはない。ジョーの声を作ってもいません。

言ってみれば、僕が撮影した映像のアフレコをやったつもり。『これはオレだ』って、なり切っていました。やると決まったらね。

だから、ディレクターが何を言っても、『ジョーは、こうですよ』ってなっちゃう(笑)。

宿命のライバルの力石徹がドラマ、漫画のなかで亡くなったのに、『なんで殺すんだ?!』と収拾がつかなくなり、『お葬式をやるしかないね』と寺山修司さんが喪主をやって、講談社でお葬式をやったんです。

2002年には力石徹の三十三回忌のイベントも行われましたからね。文豪三島由紀夫さんもジョーの大ファンだったとか。

日本のアニメで、いわゆるアウトローがヒーローになった初めての作品じゃないかなと僕は思うんだよね。

『巨人の星』の星飛雄馬はいわゆる正統派のヒーローじゃないですか?同じ時代だからよく並べて言われるけど、ジョーはアウトロー」

−声優は初めてだったと思いますが、映像に合わせてというのは大変でした?−

「意外と平気でした。なりきっていたしね。だから、途中で絵の完成が遅れたりすると、絵が止まっていたり、線だったりするんだけど、自分の気持ちでやるでしょう?

そうすると、絵と合わない場合が出てくる。声のほうが先に終わっちゃったりして。そうするとディレクターが、『いいです、あおいさん、今の芝居がとても良かったので、今の声に絵を合わせます』って、僕の声に絵を合わせてくれたんですね。スタッフ、キャスト全員の熱意を感じるすてきな作品でした」



まさにジョーそのものという感じのあおいさん。「へへっ、おっつぁんよ〜」という有名なセリフも実演してくれて、とても幸せな気分に。張りのあるすてきな声は昔とまったく変わらない。年齢を重ねるとキーを下げる歌手の方が多いなか、あおいさんは、今も14歳でデビューしたときと同じキーの高さで歌っているというのだからすごい。次回は映画『犬神家の一族』の撮影裏話、12年間レギュラー出演されていた『水戸黄門』について紹介。

4/25(土) 7:32配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200425-00010000-asapostv-ent&;p=3
https://i.imgur.com/P7NuT5l.jpg