プロ野球・広島は、本拠地のマツダスタジアムで行われる公式戦のチケットについて、
転売目的の買い占めを防ぐために去年導入した購入できる権利を得られる抽せん券の配付をことしも来月23日に行うと発表しました。

去年は想定を超える人が集まり途中で抽せん券の配付を打ち切るなど大きな混乱が起きたことから、
配付する場所をおよそ3倍に増やすなどの対策を取るとしています。

広島はマツダスタジアムで行われる一般向けの公式戦のチケットについて、転売目的の買い占めなどを防ぐため
去年から抽せんで当選した人がチケットを購入できる仕組みを導入しました。

しかし抽せん券を配るときに球団の想定を超える延べおよそ5万人が集まり、
球場の敷地の外まで列が伸びて周辺の交通などに支障が出る事態となったため、途中で配付を打ち切り、
抽せん券をもらえなかった人から不満の声が上がるなど大きな混乱となりました。

球団は今シーズンのチケットの販売について、今月23日にマツダスタジアムで抽せん券を配付すると発表しました。

一方、混雑への対策として、配付する場所を去年の6か所から3倍以上に増やすほか、
入り口を球場の正面ゲートとし、周辺の交通に支障が出ないよう待機できる場所を球場の敷地内だけとすること、
また去年は配付の対象を午前11時までに集まった人としていましたが、ことしは午前9時から午後4時までに広げるということです。

抽せん券は1人1枚で、去年は抽せん券を受け取った人がもう一度列に並ぶケースが見られたことから、
ことしは手の甲にスタンプを押し、1回しか抽せん券をもらえないようにします。

球団は時間内に来場した人全員に抽せん券を配付するとしていますが、
去年のように混乱が起きた場合は配付を打ち切る可能性もあるとしています。

抽せんの当選者は1200人を見込んでいて、発表は来月28日に行われます。
そして当せんした人は3月1日に球場の窓口でチケットを購入することができます。


マツダスタジアムで行われる公式戦のチケットは、広島が平成28年からリーグ3連覇を果たすなど人気が高まるとともに入手が困難となり、
インターネット上などで高額で転売されるようになりました。

このため球団は転売目的の買い占めやシートなどでの場所取りなどを防ぐため、
去年、抽せんで当選した人がチケットを購入できる仕組みを新たに導入しました。

しかし去年2月に行われた抽せん券の配付では、想定を大幅に超える延べおよそ5万人が訪れ、
人の列がスタジアムの敷地の中に収まらず、道路まであふれかえりました。

その結果、車の通行などに支障があるとして警察からの指導があったほか、広島駅や踏切が近いことから
JR西日本からも「運行に支障が出かねない」などという連絡があり、球団は抽せん券の配付を打ち切りました。

予定ではマツダスタジアムに集まった人全員に抽せん券が配付されることになっていたため、
券をもらえなかった人から不満の声が上がるなど大きな混乱となりました。

一方で抽せん券を導入したことで、先着順で整理券を配っていたおととしまでと比べ
転売目的とみられる人によるテントやシートでの場所取りがほとんどなかったなど、一定の効果はありました。

ただ想定を超える来場者に対応しきれなかったことが課題として浮き彫りになり、
球団は販売の仕組みや混雑への対策を改めて検討する考えを示していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200122/k10012255121000.html