「レイは何者か?」スター・ウォーズ製作陣の製作苦悩と証言集
12/20(金) 17:40 Rolling Stone Japan Translated by Shoko Natori
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191220-00032733-rolling-ent

レイ役のデイジー・リドリーとBB-8(Photo by Jonathan Olley/Lucasfilm LTD)
https://amd.c.yimg.jp/amd/20191220-00032733-rolling-000-1-view.jpg


監督を務めたJ・J・エイブラムス、ライアン・ジョンソン、そしてレイ役を演じたデイジー・リドリーが、“レイの生い立ち”についてローリングストーン誌に語ったすべてのこと。主役レイの生い立ちとともにスター・ウォーズシリーズの製作プロセスに迫る。

※本記事は最新作『最後のジェダイ』のネタバレは含まれておりません。


(中略)

スター・ウォーズシリーズの紆余曲折をもっとも的確に表しているのがデイジー・リドリー扮する主人公レイの生い立ちだ。
『フォースの覚醒』が謎めいたレイの生い立ちと両親の不在には重要な意味があることをほのめかした一方、『最後のジェダイ』は両親が「酒代のために」自分を売ったつまらない人々だったとレイに気づかせることで、彼女の過去の重要性を否定している。
それに対し、J・J・エイブラムスとクリス・テリオは『スカイウォーカーの夜明け』でレイの生い立ちの重要性を語る、と以前から公言していたし、最新作はそれを証明している。
スター・ウォーズ3部作を長年取材し続けてきたローリングストーン誌に対し、制作陣は不思議と緊張感をはらむこの話題について多くの発言を残してきた。
今回は、J・J・エイブラムス、ライアン・ジョンソン、クリス・テリオ、デイジー・リドリーによるほとんどが未発表のコメントを紹介する。

◆2019年 J・J・エイブラムス
『フォースの覚醒』、『スカイウォーカーの夜明け』 監督・脚本

『最後のジェダイ』では、最終章のために準備していたストーリーのアイデアを避けるようなことはしなかった、とエイブラムスは語った。「レイはどこから来たのか? という質問に対し、いくつものアイデアがあった」とエイブラムスは言う。
「それに、最終的なアイデアもあった。でも、ジョージ・ルーカスが『ジェダイの復讐』を『ジェダイの帰還』に変えたように、もっといいアイデアが生まれる。そこで『そうか、こっちのほうがしっくりくるな。実はこういう意味だったんだ』と気づかされる」

スター・ウォーズの民主化

◆2019年 クリス・テリオ
『スカイウォーカーの夜明け』 共同脚本

“選ばれし者”の束縛から解放され、フォースの民主化をはかったライアン・ジョンソンのやり方を否定せずにレイの生い立ちをエイブラムスとともにどのように展開していくか? という課題に対し、テリオは周到な答えを準備していた。
「ライアンがやったことは非常に興味深かった」とテリオは言う。「それは、スター・ウォーズの民主化だった。家柄や血筋がすべてではないし、未来を決めるのは過去じゃない、というメッセージだったんだ。
僕らはライアンのメッセージを探求し、あわよくば映画として展開できるようなアイデアとして受け止めた。だって、身分の違いによって二分できる問題じゃないから。
王家の出と卑しい身分、その間にもたくさんのものが存在する。カイロ・レンの言葉のチョイスだってそうだ。「お前は何者でもない」って、そもそもあれはどんな意味なんだろう?
レイが自分をそう思っているってことなのだろうか? レイ自身、そういう問いを自分に投げかけたことはあるのだろうか? ライアンが追求したアイデアは、すごくためになった。
これは3部作についてとくに言えることだけど、シリーズものというのは会話がすべてなんだ。さっきもJ・Jとの会話中で触れたテーマや裏テーマ、全体的なテーマのようにね。
『フォースの覚醒』ではレイが何者なのか、どこから来たのか、と問いかけ、『最後のジェダイ』ではある意味否定的な回答が出される。『スカイウォーカーの夜明け』ではこの2つを合わせて、第3の答えが提示できるだろう」

(中略)