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毎週日曜日10時30分から放送のドラマ「あなたの番です」最終回直後考察である。毎週、こちらの予想斜め上をいくスリリングな展開でドキドキハラハラ驚きの連続だったドラマ、最終回にして、いちばんストレートな予想通りのふつーの展開を貫いて、「予想を裏切ってくれるという予想」を裏切った展開をぬけぬけとやらかしおった。どういう気持ちでいればいいんだ、おいっ。

外した

 最終回直前考察の推理は、見事に外した。

 第1話の最初にでてきたストーリーテラー竹中直人が最後に登場して、床島比呂志(竹中直人:管理人)の死がたんなる事故であるという推理も外した。

 同調圧力が悲劇を生むというメッセージを軸に物語が作られているというのも大外れだった。

 二階堂忍(横浜流星:304号室)が、手塚翔太(田中圭:302号室)を裏切ったのも、犯人をあぶり出す演技だったというのも外れた。

 犯人としか思えない黒島沙和(西野七瀬:202号室)は予想を裏切って無実だという推理も外れた。

 外れたなー。見事に外した。

裏切りまったくなし

 別の媒体(エキレビ!)で、「最終回犯人予想ベスト13」という記事を書いた。そこで、一番ないだろうなーと思って冒頭に書いた説が、以下。

犯人は、黒島沙和(西野七瀬:202号室)説

SNS上の考察では一番多いようにみうけられる説(YouTuberでガッツリ考察しているろくろっ首さんたちも黒島黒幕説)二階堂忍(横浜流星:304号室)が手塚翔太(田中圭:302号室)を裏切ったのは、黒島の犯行を暴くための共謀だったという展開だ。AIも黒島予想だし、穂香ちゃん事件の時のアリバイを証明する家庭教師も死んでいることがわかり、数話前からもっとも怪しい人物。そのまま黒島が黒幕だったという流れでは、どんでん返し大好きな「あな番」らしくないという声も。

 まんま、これだった。いや、共謀すらなかった。

 二階堂忍(横浜流星:304号室)は、黒島沙和(西野七瀬:202号室)にたぶらかされて、本当に手塚翔太(田中圭:302号室)を裏切ったのだった。

 その後で、「結婚おめでとう」「ありがとう」ってお互いどういう気持ちで言ってるんだろう。

 最終回、まったく裏切りなく、ガンガン、黒島本人の語りによって、隠されていた真相が語られ、それが事実として認定され、まあ、証拠も次々と登場し、事件は解決した。

負け惜しみだ

 負け惜しみだと思われてもかまわないが、後出しが過ぎないか。

 いやいや、わかってる。高知の事件が後出しされた時点で、これはフェアな推理ドラマではなく、後出しオーケーの「次、どうなる? 次、どうなる?」のスリリングな衝撃ドラマだということは明示されていた。

 18話直前考察では「令和のツイン・ピークス」だからフェアな推理は通用しないと指摘した。

 でも、アリバイのファミレスの映像が今になってようやくフェイクだと分かったり、証拠の品々が次々と出てきたり、黒島ちゃんが超絶アサシン能力を持っていたり。ぐぬぬ。

観るものを夢中にさせたポイント

 そうなんだ。桜木るり(筧美和子)が、超絶アサシンで、嫌ってるそぶりの藤井淳史(片桐仁:403号室)を愛していてそのためにぶっ殺してたっていう、まあ、ちょっとありえない超絶キャラだったから、まさか、キャラかぶりの超絶アサシンがもうひとりいるとは思わなかった。

 だから、赤池美里(峯村リエ:502号室)と赤池吾郎(徳井優:502号室)のふたりを黒島ちゃんひとりで殺すのは不自然すぎるよなと思ったんだった。間違ってた。このドラマで、不自然とか、そういうこと考えちゃダメ。

 登場人物も、物語も、演出も、すべて視聴者をまどわし、からかい、衝撃を与えるためだけに集中していたのだ。そこが見るものを夢中にさせたポイントだったのだ。

9/9(月) 9:20配信 ねとらば
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