禁止薬物「テオブロミン」が検出された飼料添加物の「グリーンカル」を競走馬が摂取した可能性があるとして、6月15、16日の中央競馬で156頭がレースから除外された問題で、JRAは5日、六本木本部で記者会見を開き、発生原因と今後の対応策を示した。

 騒動の原因となった「グリーンカル」は日本農産工業(本社・横浜市)が生産。今回、その製品からカカオなどに含まれる興奮作用のある禁止薬物「テオブロミン」が検出されたが、混入原因については「同じ建屋内にある別の製造ラインでカカオ豆副産物が粉砕されており、この粉塵が(グリーンカルの材料となる)アルファルファミールに混入した」とした。

 薬物検査の結果を待たずに問題となったグリーンカルが流通したことに関しては「検査の申請、受検状況について正確な情報を有する態勢が十分に取れていなかった」と責任を認め、ファンや関係者に謝罪。今後の対応策についてはJRAが販売業者、薬物を検査する競走馬理化学研究所、小売店にチェックを入れる態勢をつくると発表し「このような事案を二度と起こさないよう、再発防止に向けた取り組みを徹底する」とした。

 また、同製品が納入された28厩舎に所属し競走除外となった全馬については、出走予定だったレース3着賞金相当の保証金に加え、特別出走手当が与えられる。総額4〜5億円の保証金はJRAが負担することになる。

2019年7月5日 15:27
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/07/05/kiji/20190705s00004000279000c.html
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