現役引退を表明した巨人の上原浩治投手が20日、都内で引退会見を開いた。引退を口にした直後に涙を流し、支えてくれた人達への感謝を伝えた。

 【以下、代表質問の一問一答】

 「本日をもちまして21年間の現役生活を終えたいと思います」と切り出すとみるみる目に涙が浮かぶ。

 「これまで自分に関わってくれた人々皆に感謝したいと思います。ありがとうございました」

 代表質問に移る。

 −話せる範囲で胸の内を。

 「もうちょっとやりたかったなと。そういう思いです」

 −少しずつ心の変化生じていると思うが。

 「自分が決めた以上、ユニホーム着ることはないわけですから、気持ち切り替えて行くしかないかなと思う」

 −引退決断きっかけは?

 「今年で辞める事は最初から決めていたことなんで。3カ月が僕の中で勝負と決めていた。2月、3月、4月と練習していく中で、一度も1軍に上がることなく、
2軍で試合を投げさせていく中で、抑えてないって言う葛藤もあった。これが8月、9月、チームが首位争いをしている最中に自分がこういう会見するのは
違うと思った。それなら早く決めて終わりたいという思いで」

 −身体と心のズレのようなものは生じた?

 「手術させてもらって体はいい調子というか、投げられる状態ですけど、それでも2軍戦で通用してないのが気持ち的に後ろ向きになった」

 −これまでも後ろ向きになるのは?

 「何回かありましたけど、来年あるんであればもうちょっと頑張ろうと思ったが、来年はないと決めてましたから、気持ちと身体となかなか一致しなかった。

 −5月頭に同学年の福浦さんと試合をした。あの試合もきっかけに?

 「そうですね。福浦と対戦できたのは嬉しかったことですし、西武戦で(松井)稼頭央監督の目の前で投げられたことも僕の中ではいい思い出と言ったら
おかしいが、これでいいかなという気持ちに少しなりました」

 −(選手生活は)どんな道程?

 「ケガばっかり、中途半端だったかなと思います」

 −雑草魂で野球貫いた上原さん、支えてきた病気の子供さん達や、苦境に立たされた人へのメッセージ込められていた?

 「手を抜いて投げたことはないですし、今年に限っても若い選手達と練習しましたし、抜いて練習したことは一切なかった。それを見て励みになってくれていたらそれは嬉しい」

 −100勝100セーブ100ホールドという記録もある。

 「それに関していえば中途半端かなと。どのポジションで全うしたわけでもなく中途半端にやっちゃったかなと言う感じ」

 −新しい人生は?

 「正直まだ何も考えてない。明日からどうしようかなと」

 −ペナントレース続いてジャイアンツのメンバーは戦っています。上原さん目指した野球少年もたくさんいます。メッセージを。

 「今、首位争いしている中でこんなことになってしまって本当に申し訳ない。いい感じできてると思うんで、このまま皆、頑張って欲しいなと思います」

デイリースポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190520-00000107-dal-base

 上原は、日本のプロ野球12年で通算112勝67敗33セーブ23ホールド、防御率3.02。大リーグ通算9年で22勝26敗95セーブ81ホールド、防御率2.66。【岸本悠、生野貴紀】

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190520/k00/00m/050/149000c
引退会見で涙をぬぐう上原浩治=東京都千代田区で2019年5月20日午後4時7分、喜屋武真之介撮影
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/05/20/20190520k0000m050150000p/8.jpg