歴代監督が吉田を重用する理由

プレミアリーグでプレーしてきた日本人選手について考えるとき、私が最初に思い浮かぶのが、サウサンプトンの吉田麻也だ。

 私がサウサンプトンの試合を見るとき、彼の名前はほぼ毎試合のように先発のラインアップに記されている。チームの中で自分の居場所を取り戻すため、吉田は何度なくポジション争いに挑み、そして常に制してきた。

 プレミアリーグでの通算出場数は日本人最多の146試合。その数字は、絶え間ない努力とプロフェッショナリズムの賜物と言えるだろう。

 吉田がオランダのVVVからサウサンプトンに活躍の場を移したのは2012年8月。それ以来、マウリシオ・ポチェティーノやラルフ・ハーゼンヒュットルなど、合計6人の監督の下でプレーしてきた。

 英国メディアは、監督が変わるたびに吉田のポジションが危ないと指摘してきた。というのも、サウサンプトンが監督を変えるのは、当然ながらリーグの下位に低迷している場合が大半。そして、手っ取り早くチームを向上させる常套手段が、「センターラインの守備のテコ入れ」だからだ。

 しかし、その度に吉田は生き残って、監督からの信頼を勝ち得てきた。これは、彼のフィルカル能力だけでは成し得ないものだと思っている。では、吉田の何が新監督たちに認められるのか? それは圧倒的な英語スキルと高いコミュニケーション能力にあるのではないだろうか。

 彼が英語で話すインタビューを見ていて私が気付いたのは、ハッキリとした口調で、時折、ジョークも挟んでいる点だ。

 英語をマスターしていない選手の場合、緊張感のあるインタビューで、ジョークを交えながら話すというのはなかなか難しい。だが、吉田はそれをいとも簡単にやっているのだ。このスキルに、私は感服している。今年3月に英国内での永住権を取得することにも繋がった語学力は伊達ではない。

 また、吉田は人格者でもある。国内外から数多くの名手たちが揃うプレミアリーグで、長年に渡って生き残るためには、チームに馴染むための個性が非常に重要になる。でなければ、定位置を確保することはおろかチームに残ることも困難だろう。

5/4(土) 7:02 サッカーダイジェスト
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190504-00010004-sdigestw-socc

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