「クローズEXPLODE」(監督)や「火花」(脚本)で知られる映画監督の豊田利晃(50)が18日、銃刀法違反の疑いで逮捕された。
静岡県警によると、別の容疑で家宅捜索をおこなったところ、回転式拳銃1丁を発見したという。
豊田容疑者は2005年にも覚せい剤取締法違反で逮捕されており、SNSでは〈また捕まったのか〉と呆れる声があがる一方で、〈豊田監督が撮る松田龍平が好きだったからショックだ〉といったファンからの嘆きも見られる。


豊田容疑者と松田龍平(35)は、2001年公開の映画「青い春」(01年)でタッグを組み、松田を主演に迎えた「泣き虫しょったんの奇跡」は昨年9月に全国公開され好評を博したばかり。
くしくも2作品には今年2月に強制性交罪で起訴された新井浩文被告(40)も出演しており、「泣き虫――」にいたっては新井被告逮捕の1カ月後に控えていたブルーレイおよびDVDの発売が延期となっていた。

発売・販売元のバップは「現在も発売延期の状況は変わらない」(担当者)と話すが、今後の対応は社会的影響を勘案しながら決めることになるという。
しかし、「現在も小規模ではあるものの地方で劇場公開されていたが、製作の中心を担う監督が逮捕され、19日からはすべて上映中止となった」(映画関係者)となれば、このままお蔵入りの可能性もゼロではないだろう。

映画ジャーナリストの大高宏雄氏はこう言う。

「『泣き虫しょったんの奇跡』はプロを目指す棋士の話で瀬川晶司五段の自伝的作品。
主人公を演じる松田は、羽生善治や谷川浩司たちのように突出した才能の持ち主ではないが、幼いころから将棋のプロだけを目指す人生への葛藤などをオーバーアクトに頼らず、淡々と自然体に演じていた。
各映画賞で評価された『舟を編む』(13年)に通じる役どころで作品の派手さはないものの、彼の代表作の一本といっても過言ではない。
豊田監督にとってもそれまでの尖った作風とは一線を画す新境地といえ、お蔵入りしてしまうには実に惜しい作品です」

豊田容疑者は自身もプロ棋士を目指し9歳で奨励会に入会した過去を持つ。
2012年、日刊ゲンダイの取材では「中学の頃は昼間から将棋サロンに入り浸りでサラリーマン相手に1局1000円で勝負してました。
毎日20局以上は指して、3万円ぐらいは稼いでいました。この頃の方がお金があったかも(笑い)」などと目を細めながら懐かしんでいた。

そんな自身の原点ともいえる将棋の世界を描いた1本で、作品はおろか、これまでのキャリアに幕を下ろすことになったとしたら、なんとも皮肉な話である。

http://news.livedoor.com/article/detail/16345443/
2019年4月20日 12時19分 日刊ゲンダイDIGITAL