阪神にとって、元号が「令和」に変わっても守り続けなければならないのが、巨人との「伝統の一戦」のブランドだ。

 しかし、巨人には2007年(14勝9敗1分け)を最後に11年連続勝ち越しなし(五分の星が3度)。昨季は8勝16敗1分けと水をあけられ、特に本拠地甲子園でわずか3勝しかできず、虎党の怒りを買った。

 そんな中、矢野燿大監督(50)は2日からの今季初の対巨人3連戦(東京ドーム)を前に「伝統の一戦で監督としてやれるなんて…楽しんでやれたらいいなと。相手とぶつかることを楽しめる戦いができれば、結果もついてくると思うし、ファンの方もよろこんでくれる」と感慨深げ。

 恩師の故・星野仙一氏が阪神監督時代に「巨人戦はビタミン剤」と言い放ったのにならい、G倒を「意識する」という。本紙記者が「最初が肝心では?」と水を向けると、「結局そういうことになる。どう感じて、どう戦うか。誰だっていいスタートを切りたいのは山々」と強調した。

 球団も巨人と協力し「伝統の一戦」をイベント化して盛り上げる意向だが、厳しい現実がある。球団関係者は「近年は価値観が変わり、巨人戦だからといって超満員になることはない。ファンは大谷(エンゼルス)や柳田(ソフトバンク)など、メジャーリーガーやその予備軍といえる選手に興味を示す傾向が強い」と明かす。

 現場のチーム関係者も「今どきの若い選手は“伝統の一戦”といわれてもピンときていない。歴史ある球団としては寂しい限り」と嘆く。

 開幕カードでリーグ3連覇中の広島に2勝1敗で勝ち越した巨人に対し「戦力だけを見れば、解説者の皆さんの順位予想で上にきている通りで、俺もなんでやねんとは思わない。だからこそ、野球は面白いというのを見せたいというのもある」と対抗心を燃やす指揮官。伝統の灯を絶対に消してはならない。(山戸英州)

4/2(火) 16:56配信
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