3月6日に放送された北川景子主演の連続テレビドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)第9話が、平均視聴率10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。
ここまで「全話2ケタ維持」といえば聞こえはいいが、10.2%は前週第8話と同率で自己最低タイ。最終回目前にしては、さびしい数字である。

本作の主人公は、テーコー不動産新宿営業所の営業ウーマン・三軒家万智(北川)。家を売ることが趣味で「私に売れない家はありません!」と豪語する自信家だが、
家を売るためなら地道な情報収集から強引な手段までやってのける。そんな万智を同僚たちは少し引き気味に見ているところもあるが、夫で課長の屋代大(仲村トオル)には愛され、
部下の庭野聖司(工藤阿須加)にも慕われている。また、フリーランスの不動産コンサルタント・留守堂謙治(松田翔太)は、小学校で同級生だった頃から万智を「愛している」という。

これまで留守堂は万智を“ひそかに思う”ことで満足していたが、第9話では彼女と屋代の夫婦関係に嫉妬するなど、気持ちを抑えたままの状態に限界を感じ始める。
新宿営業所のエース・足立聡(千葉雄大)が新婚の新垣浩介(渋江譲二)&美優(佐藤めぐみ)の家探しを担当するなかで、
留守堂の客・迫田のぞみ(小野真弓)が売却予定の家を紹介することになったが、留守堂がのぞみの夫・祐樹(永野宗典)に“肩入れ”してしまったために両夫婦の家の売買が白紙に……。
そんな留守堂らしからぬ様子を足立も気にしていた。

一方、万智は高齢の母親と同居するための家を探す馬場礼子(酒井若菜)を担当し、
フルリノベーションしたばかりの家を再度フルリノベーションするという大胆な行動に出る。その家は、設計デザイナー・真壁涼(入江甚儀)のこだわりが詰まった内装となっており、
庭野は真壁のデビュー作を売り込もうと張り切っていたのだが、万智は「友情ごっこで家は売れない」と一刀両断。
最終的に、礼子と母親・静江(松金よね子)の同居話がまとまり、庭野と真壁も納得するのだった。

そんななか、万智に対する留守堂の愛がついに爆発! 万智を呼び出し、再び気持ちを伝えるが……。
万智は、留守堂が小学生時代から“女神”と信じてきた相手が自分ではなく、「山田和子(風見梨佳)ちゃん」であると告げる。

つまり、留守堂は人違いで万智に執着し、同じ不動産業に就くまでになっていたのだ。
この事実を突きつけられた留守堂は万智を逆恨みしてしまう……という内容を繰り広げた。

留守堂のキャラクターが“ドジ”であると強調されてきたのは、このためでもあったのだろう。
インターネット上には「勘違いしたまま大人になってしまったなんて切ない」「万智を思って不動産屋さんになったのに、人生の取り返しがつかないよね……」など留守堂への同情も寄せられたが、
それよりも「逆恨みはダメでしょ? 万智は何も悪くないじゃん!」「留守堂はかわいそうだけど、勘違いは自分のせいだよね」「この思考回路、怖すぎる」といった書き込みのほうが圧倒的に多かった。
「愛が憎しみに変わる」というケースは聞いたことがあるけれど、思い込みが激しく、自分の間違いを受け入れられずに逆恨みする人間は確かに怖い。

この急展開から次週フィナーレを迎える同ドラマだが、公式サイトによれば、留守堂は“万智のノウハウを組み込んだAI”を使ってテーコー不動産をピンチに追い込むらしい。
いわば「万智(本物)vs.万智(AI)」の対決なのでおもしろそうではあるが、かなり突飛な最終回である。
視聴率が停滞しているなか、“賭け”に出たのかもしれない。

そもそも、同ドラマのファンは万智が家を“爆売り”する姿に盛り上がるのだから、万智と留守堂の話がポイントとなった第9話が盛り上がりに欠けたのも仕方ない。
その点、最終回は万智の活躍に期待していいはずだ。現時点で第2話の12.9%が自己最高視聴率となっているが、最後にこれを上回ることができるだろうか。

http://dailynewsonline.jp/article/1723021/
2019.03.08 17:00 ビジネスジャーナル