昨シーズンのJリーグ得点王ジョーを擁し、さらに堅実な補強をした名古屋グランパス。開幕戦の相手は、ルイス・カレーラス新監督を迎え、昨シーズンの堅守速攻から攻撃的なサッカーにスタイルを変えようとしているサガン鳥栖だった。

 試合は予想どおり、名古屋が主導権を握るが、鳥栖の堅い守りを崩せない。頼みのジョーは何もできないまま、前半を折り返した。

 試合が動いたのは後半18分。丸山祐市の縦パスを受けたジョーが、左手で相手DFをブロックしながら反転してシュート。ボールは右ポストに当たってゴールに吸い込まれていった。さらに後半32分、新戦力ジョアン・シミッチの縦パスに、鳥栖から移籍してきた吉田豊が抜け出しクロス。再びジョーがヘッドで決めた。その後も途中交代で出場した相馬勇起、和泉竜司がゴールを決め、4−0で快勝した。


 勝敗を決めたのは両チームのエースストライカーの出来と言っていい。鳥栖のフェルナンド・トーレスは前半、2度のチャンスを決めきれず、後半10分の決定機もポストに当ててしまった。一方、前半は眠っていたかのようなジョーは最初のチャンスを決め、一気に流れを引き寄せた。

 また、名古屋の新戦力の活躍も見逃せない。とくにボランチに入ったシミッチは、2点目の起点になっただけではなく、3点目の相馬のゴールもアシストした。シミッチはエドゥアルドネットの故障で急遽、補強した選手で、二次キャンプから合流したばかり。しかし、ゲームメイク力はネットよりも上。大きな戦力になりそうだ。

 さらに、FC東京から移籍してきた米本拓司も、ボール奪取と危機察知能力の高さで鳥栖の攻撃を止め、存在感を示した。2点目のアシストを決めた吉田を含めて、新戦力3人の加入で、選手層が厚くなったのはもちろん、チーム力も確実に上がっている。

 今季の「3強」と言われるクラブの開幕節は、川崎フロンターレ、浦和レッズが引き分け、鹿島アントラーズはJ1に復帰した大分トリニータに敗れた。そんななか、エースの2得点、新戦力の活躍、懸念されていた守備も完封と、最高のスタートを切ったのが名古屋。このまま波に乗れば、何かが起こるのでは、と予感させるチームだ。

2/24(日) 6:41配信
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