2/10(日) 11:00配信
J-CASTニュース
スポーツ選手のSNSは「諸刃の剣」 ファン交流は深まるが、自主トレ場所の特定リスクも

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)機能の悪用による被害が相次ぎ、社会問題化している。

 今年に入ってから飲食店のアルバイト店員がSNSで不適切な動画をアップする行為が続出。これらの行為に歯止めがきかない現状だが、SNS利用に関してスポーツ界でも警鐘を鳴らす関係者も。SNSがスポーツ選手にもたらすメリット、デメリットとは? J-CASTニュースがスポーツ選手のSNS問題に迫る。

■ファンサービスとしては重要だが...

 スポーツ選手がインターネットを利用してファンに向けてメッセージを発信するようになったのは1990年代後半から。当時はまだツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどがなく、情報発信の手段として選手個人のブログが主なものだった。当時のブログはリアルタイムの情報を発信するというよりは、日記的な要素が強く、現在のものに比べるとのんびりしたものだった。

 2000年代に入ると、フェイスブック、ツイッターの出現によりSNS事情が激変する。その手軽さゆえに多くのスポーツ選手がこれらを利用するようになり、発信される情報はよりリアルタイムに近付き、画像や動画を添付することで実生活の一部を披露することでファンとの距離感がぐっと縮まった。

 プロスポーツ選手にとってファンサービスは欠かせない重要なもので、SNSはファンとの交流のツールとして実に有効なものとなる。だが、その一方でSNSの利用法をひとつ間違えれば、拡散力の大きさからつぶやきの言葉ひとつで、発信者は被害者にも加害者にもなりうる。いわば諸刃の剣である。

サイン目当てで、自主トレ場所の特定も

 プロ野球では今オフ、選手のサインをねだる一部ファンのマナーが問題視されている。先日、メディアで報じられたのが、自主トレ中のプロ野球選手にサインをねだったファンが、サインをもらえなかったためSNSでその選手に対して暴言をはいたもの。これに対して当該の選手がSNSで苦言を呈し、野球ファンに対してマナーの順守を呼びかけた。

 関係者の話によると、プロ野球選手の自主トレにファンが集まるようになったのはここ10年のことだという。巨人や阪神などの人気球団のスター選手となれば、新聞やテレビで自主トレの様子が報じられるため、トレーニング場所をファンが特定するのはある程度容易であった。ただ、あまりメディアで取り上げられない選手でもSNS上でトレーニングの模様を発信すれば場所を特定されやすく、サイン目当てのファンの中には選手の自主トレ情報をSNSで常時チェックしているものもいるという。

 過去には、国内で起きた女子高生の殺害事件について、あるプロ野球選手が「自業自得だ」とツイートし社会問題に発展したことも。2018年6月には巨人の若手選手の不適切な動画が流出する騒ぎが。これが影響してのものか不明だが、巨人・原辰徳監督(60)は、選手のSNS利用に苦言を呈しているとの一部報道もある。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190210-00000001-jct-sci