大迫勇也が出場できないときにどうするか――。5度目の優勝を逃したアジアカップで見えた今後のテーマのひとつが、これだろう。
今大会の日本は1−0の勝利が3試合あった。
「今までは自分たちのサッカーができなかったり、相手にボールを持たれると、みんながナーバスになってネガティブな状況が生まれていたけど、
今はその状況でも大丈夫」と長友佑都が語ったように、勝負強さを身に着けたのは確かだろう。

だが一方で、1−0での勝利が続いたのは、右臀部を痛めた大迫の欠場と無関係でもないはずだ。中盤に落ちてきた大迫に縦パスが入った瞬間に、森保ジャパンの攻撃のスイッチは入る。
大迫がパスをさばき、2列目の選手たちが大迫の空けたスペースに飛び出すことで、攻撃のコンビネーションが発動するのだ。
その絶対的な存在を欠き、攻め筋を見つけられなくなったのも事実だろう。

なにも代わりになり得なかった武藤嘉紀や北川航也を責めているわけではない。武藤は裏へのベクトルの強さが魅力のストライカーで、北川はセカンドトップが適正のオールラウンダー。
大迫が“周りを生かす”タイプなら、武藤や北川は“周りに生かされる”タイプと、そもそもタイプが違うのだ。

武藤や北川の生かし方は引き続き模索するとして、大迫のほかに“周りを生かす”タイプのストライカーは、いないのか。

そこで試してみてほしい選手がいる。ストライカーと言ってしまうのは気が引けるが、ベルギーのシント=トロイデンでプレーする鎌田大地だ。

サガン鳥栖からドイツのフランクフルトに移籍したのが17年の夏。フランクフルトでは結果を残せなかったが、昨夏に期限付き移籍したシント=トロイデンで現在、ゴールを量産中だ。
ここまで17試合に出場して10ゴール。得点ランキングで5位につけている。

鎌田の魅力はなんと言ってもシュートのうまさ。右足でも左足でも正確にコースを居抜き、ペナルティエリア内での落ち着きもある。
「ペナルティエリア付近でボールを持たせてもらえれば、決められる自信がある」と鎌田自身も豪語するほどだ。

もともとシュートのうまさはサガン鳥栖時代から定評があった。フランクフルトでも「練習ではトップ3に入るくらい点を取っていた」と話すが、サイドアタッカーと見なされ、持ち味をなかなか発揮できなかった。

だが、シント=トロイデンでは主にシャドーやトップ下、2トップの一角とピッチの中央やゴール近くで起用され、ペナルティエリア内に入る機会が増えた。

加えて、危機感がより一層、結果へのこだわりを強めている。鎌田が言う。

「ベルギーで1年間活躍した選手の中で、わずか数人だけが4大リーグにステップアップできるレベルだと思うんですよ。
その中で僕は、言い方は悪いですけど、4大リーグから下に落ちてきた。そうした人間が再び上に行くには、結果が必要になってくる。
僕は4大リーグに戻りたい。これ以上もう、下はない。ここでダメだったら、Jリーグに戻るしかなくなる。それくらいの覚悟でいる」

力強いドリブル突破と柔らかいボールキープも魅力で、剛柔両方を併せ持っている点も大迫と共通するものがある。

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