エンジェルスの大谷翔平選手が12日、アメリカンリーグの新人王に選ばれました。新人王争いでライバルとなった選手の地元、ニューヨークのメディアは、大谷選手をたたえる一方で、悔しさをにじませました。

今回のアメリカンリーグの新人王争いをめぐって、ニューヨークのメディアは、競争が激しい強豪ヤンキースでサードを守り続け、バッティングでも好成績を残したアンドゥハー選手に期待をかけていました。

ヤンキースの地元、ニューヨークの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は、ホームページに掲載した記事で、アンドゥハー選手はシーズンで100勝したチームで149試合に出場して打率2割9分7厘、ホームラン27本、92打点の好成績をマークしたことから、「大抵のシーズンであれば、新人王受賞に有利であったが、大谷の普通ではない才能やサードでの守備のまずさが不利に働いた」と論評しました。

また大衆紙「ニューヨーク・ポスト」は、ホームページで「ミゲル・アンドゥハーが新人王争いで大谷翔平に敗れる」というタイトルの記事を大きく掲載し、「大リーグのコーチやスカウト、監督による投票では、アンドゥハーが大谷を引き離していたが、記者たちの評価は違っていた」と伝え、悔しさをにじませました。

また別の大衆紙の「デイリーニューズ」は、「大谷翔平は天才で、アンドゥハーはヤンキースで天才的だった」という見出しの記事を載せました。この中で記者は、「新人王の投票権を持っていなかったが、投票するならアンドゥハーだった」と書き、大谷選手の受賞は理解できるものの、アンドゥハー選手も長いヤンキースの歴史の中で新人として際立っていて、受賞の資格は十分だったと力説しています。
複数の記者が繰り返し“大谷推し”
今回のアメリカンリーグの新人王争いでは開幕直後から、大谷翔平選手のほか、ヤンキースの内野手2人が有力候補として注目されていました。

しかし、アメリカの複数の著名なベテラン記者は、大谷選手が野球の神様と言われるベーブ・ルース以来初めて、ピッチャーとして4勝以上、バッターとしてホームラン10本以上の成績を同時に成し遂げたことや、分業化が進んだ現代の野球で、投打の両方のプレーを高いレベルで実現したことを重くみて、その事実だけで新人王に値すると繰り返し主張していました。

また、大谷選手が7月下旬から9月末までのシーズン後半で15本のホームランを打って、強い印象を残したことも受賞には有利に働くと見られていました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181113/k10011708851000.html