プロ野球・日本ハムファイターズの本拠地移転構想で、北海道北広島市は国の特別天然記念物・野幌原始林に隣接する民有林を切り開いて、球場へのアクセス道路を整備する方針だ。

 実現すれば市街地を見守る高台の森が、南北に分断される。自然保護団体は、生態系への重大な影響が懸念されるとして計画の見直しを求めている。論議を呼ぶ森を歩いた。

 アクセス道路は、球場予定地と既存の市道・大曲椴山(とどやま)線を結ぶ延長2・4キロと、JR千歳線をまたいで国道274号と結ぶ延長1・8キロの2本。国道ルートは工期が2023年3月の球場開設に間に合わず、市は市道ルートを先行する方針だ。幅約500メートルの民有林のほぼ中央を、幅25メートルの歩道付き4車線道路が貫く案を検討する。

 JR北広島駅から線路沿いの遊歩道・エルフィンロードを北西に1・5キロほど歩くと、球場予定地が広がる。自然保護団体「フォーラム野幌の森」(事務局・北海道江別市)代表・五十嵐敏文さん(65)らが11日、現地を確認した。

 「民有林は野幌原始林を守る緩衝帯の役割を果たしてきた。分断されれば、双方の生態系への影響は計り知れない」。フォーラム側は要望書を2度提出し、道路を民有林北縁の遊歩道沿いに移すよう提案した。森の分断が避けられ、原始林からも離れるからだ。

2018年10月15日 10時54分
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