日本テレビ系で放送されている「3週連続 夏はジブリ」の視聴率が好調だ。

 1週目の8月10日に放送した「ハウルの動く城」は14.5%、2週目の17日の「となりのトトロ」は16回目の放送にもかかわらず14.0%をマークした。

 2017年に興行収入38億円を記録して実写邦画ナンバーワンヒットの「銀魂」が16日、テレビ東京系で放送されたが、視聴率は5.2%。また、同年の公開で興収35億円だった「君の膵臓をたべたい」を放送したテレビ朝日系の視聴率は10.4%。いずれも“地上波初放送”にもかかわらず「ハウル」にも「トトロ」にも及ばなかった。新作よりも14年前、30年前のジブリ映画の方が数字を稼ぐのは、なぜなのか。

 映画ジャーナリストの大高宏雄氏が言う。

「ジブリは何回見ても観賞に堪えうるクオリティーと物語性があります。『となりのトトロ』の猫バスの登場シーンのような名場面はSNSで盛り上がっていて、楽しみを常にファンが共有しています。
世代を超えて親子で観賞する方も多く、新しいファンも増え続けています。最近の映画はテレビ放送前にネタバレしていると先入観があり、視聴されない傾向があります。ジブリ映画は内容を把握していても『また見たい』と思わせる魅力が、1つ、2つの作品だけではなくブランド全体にあるので、他の映画に比べて相対的に視聴率が高い傾向があります」

 過去に「猫の恩返し」は5回放送され、最高視聴率は地上波初放送となった05年の17.5%。直近の16年放送時は12.4%だった。今回はどれくらい稼ぐのだろうか。

 芸能ライターのエリザベス松本氏が言う。

「『となりのトトロ』の放送後にSNS上で、“来週の『猫の恩返し』も期待できる”というツイートがたくさんありました。知名度は『トトロ』ほどではありませんが、猫ブームということもあり、視聴率は13%に届くかもしれません。ジブリは全体的にほのぼのしていて、ほっこり感があります。ストレス社会ということもあり、癒やされる人も多いのでしょう」

 過去にも“ジブリ祭り”を何回も行っている日テレも抜け目がない。 (視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180824-00000020-nkgendai-ent