再三のシュートチャンスを生かせなかった。
ペルーに勝てば決勝トーナメント進出の望みがあった豪州は、0―2で完封負けを喫し、2敗1分けで敗退が決定。2大会連続の未勝利でロシアを去る。

今大会、豪州を含むアジア勢は5カ国が出場しているが、今のところ決勝T進出の可能性が残されているのは日本と韓国だけ。韓国は2敗を喫しており、すでに虫の息。前回ブラジル大会で12戦未勝利の屈辱を味わったアジア勢の苦戦は大会前から予想されていたものの、欧米の連盟幹部からは「だから言わんこっちゃない」と冷笑する声が聞こえてきそうだ。

W杯は2026年大会から、出場国が現行の32カ国から48カ国に拡大されることが決まっている。アジアは4・5カ国から8・5カ国へと大幅に増え、最大9カ国が参加できるようになる。

■放映権料の3分の1

ただ、欧州各国はこの拡大に消極的だった。レベルの低下や欧州リーグ所属選手の負担増を招くとの反対意見が噴出していた。今年、この出場国拡大を22年カタール大会から前倒しで導入するプランが浮上したものの、6月のFIFA理事会で「準備不足だ」として否決されたほどだ。

「『出場国拡大はFIFAのビジネス至上主義だ』と不満を漏らす欧州の連盟幹部は少なくない。FIFAが拡大を率先した背景には、アジア諸国が支払う巨額の放映権料がある。今大会では、3000億円のうち日本と中国が3分の1に当たる1000億円近いカネを負担しているといわれる。世界2位の人口13億人超を抱えるインドでも、サッカー人気が高まっていることも追い風になっています」(在京テレビ局関係者)

 W杯はシビアな「予選」が価値を下支えしている。弱い国がゾロゾロ出てくる大会になれば、質は落ちて当然。アジア諸国は出場枠拡大に見合うレベルアップが求められる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180627-00000023-nkgendai-socc