◇1次リーグE組 ブラジル1−1スイス(17日、ロストフナドヌー)

 ブラジルの守備がほころびを見せたのはセットプレーの一瞬。それが、カナリア軍団が勝利を逃す決定的なものになった。

 後半5分のスイスの右CKに対し、近いサイドで守るカゼミロとミランダの位置取りが重なった。さらにミランダがスイスのツーベルに背後から押され、マークの緩んだツーベルにボールを頭で押し込まれた。プッシングの反則も考えられたがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)は活用されず、ブラジルのリードはあっけなく消えた。

 南米予選途中の2016年に就任したチチ監督が練り上げた組織的な守備は機能した。守備的MFと最終ラインが、相手のワントップ、セフェロビッチを挟みこんで仕事をさせない。両サイドバックはスイスのサイド攻撃にチャージし、センターバックも的確にスペースをカバーした。

 ガブリエルジェズス、ネイマール、ビリアンのスリートップは序盤からスイスを押し込んだ。前半20分に左からの崩しでこぼれたボールを司令塔のコウチーニョが右ポストいっぱいにゴールへねじ込んだ。だが、相手のマークが激しくなるにつれ、強引なシュートが増えた。

 自国開催だった前回14年大会はドイツとの準決勝で1−7に沈んだ。屈辱を晴らそうと意気込んで迎えた今大会。コウチーニョは「スイスの守備が厳しかった。それでも前向きな材料は多い」と言うが、復権を狙うサッカー王国が望んだ形のスタートではない。【大谷津統一】

 ◇状況判断欠いた

 ブラジル・チチ監督 勝利を望んでいたので、結果には満足していない。フィニッシュでの状況判断を欠いていた。チャンスではより正確にプレーしてほしかった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180618-00000047-mai-spo