◆国際親善試合 日本0―2ガーナ(30日、日産スタジアム)

 ロシアW杯前の国内での最後の試合で日本は0―2でガーナに敗れた。ロシアW杯メンバー23人入りへ当落線上のMF香川真司(29)=ドルトムント=は後半開始から左シャドーで登場。45分間プレーも、一発回答となる結果は出せず、メンバー入りへ微妙な状況から脱することはできなかった。

 14年ブラジル大会に続く2大会連続のW杯出場へ、香川は当確ランプをともせなかった。「僕らにもチャンスがあったんで、一つのチャンスをもっと決めていかないと非常に厳しくなる」。求められていたのはゴールであり、ゴールを生み出す働き。それができず、W杯メンバーへ一歩前進とはいかなかった。

 ハーフタイムが終了し、後半開始前に背番号10がタッチライン際に登場すると、スタンドから一段と大きな声援が湧き上がった。誰もが救世主となることを香川に期待した。後半開始3分にはMF酒井高からのグラウンダーのクロスを右足で合わせた。4分には酒井高→長友とつないで最後は左足ボレーも枠をとらえることはできなかった。西野監督からは「ボランチの両脇を狙う」「バイタル(ゴール前)を使う」「ゴールを決める」「自由に動け」といった指示を受けた。とにもかくにもゴールを生み出すことが求められていた。

 ガーナ戦に向けて「15分しかプレーできない状態の選手は選びたくない」と西野監督は2月に左足首を負傷した香川の招集に難色を示していた。この日は45分プレーし、コンディションが上がっていることはアピールできた。「コンディション自体は悪くない。ただ、それを証明しないといけない。コンディションがよくても結果が出なかったら勝てないですから」。悔しさが口を突いた。

 当落線上だった香川に求められる役割は、その能力を考えれば、先発し、長時間プレーして多くのチャンスメイクをすること。

この日は45分で結果を出して、その立場に戻る布石を打つべき舞台だった。スーパーサブ的な存在ではない。ゴールやアシストという結果で「一発回答」したかったが、当落線上の立場は変わらなかった。

「W杯に行くと思って準備してきた。それに変わりはない」。日本の背番号10は2大会連続のW杯切符を手にできるのか―。西野監督の決断に委ねられている。

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スポーツ報知 5/31(木) 6:11配信
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