鵜川校長には合格者数のほかに、もう一つ自慢のタネがある。野球部から理Tと理Uに現役合格者を出したことだ。

甲子園のレギュラーメンバークラスが東大に入るのは珍しいケースじゃないですか。これからが楽しみです」

受験産業界でも今年の桐蔭学園の大躍進は予想されていた。

「桐蔭さんではうちが年3回実施している全国統一模試を在校生全員が受験していますが、学校全体のレベル上昇がはっきりと数字に現れていたんです。」

と、河合塾の井崎公勢・東京進学推進部次長は言うのだ。

「それに加えて、センター試験の自己採点集計結果でも85%以上得点した上位者の人数が東京の御三家(開成、麻布、武蔵)とほぼ同数でしたので、

東大合格者が3桁になったのも不思議ではありませんね。進学校では少数精鋭。6年一貫教育が主流となっている中で、

高校入試で外部から新しい生徒を入れてお互いに刺激を与え合ったり、逆に人数の多さを武器にしていますね。

数年のうちには、開成と東大合格者数日本一を争うのは間違いないでしょう。」