2位のチーム相手に酒井も攻守で奮闘!
 
4月7日(現地時間)、ブンデスリーガ第29節が行なわれ、ハンブルクは3-2でシャルケを下した。
 15試合未勝利と低調なハンブルクが、2位のシャルケをホームに迎えた一戦、酒井高徳は右SB、伊藤達哉は左サイドのアタッカーとしてスタメン入りを果たした。
 
最下位チームにとっては厳しい試合になると思われたが、立ち上がりから気合十分のプレーで、ハンブルクは積極的に相手ゴールを目指す。伊藤もボールを得ると臆することなくドリブル勝負を仕掛けていった。
しかし、彼らが欲しかった先制ゴールは、9分、アウェーチームにもたらされる。FKでカリジューリがゴール前に入れたボールに、ナウドが合わせて(手に当たったようにも見えたが……)ゴールネットを揺らしたのである。
 
攻勢に立っていながらの失点は精神的に堪えるものだが、ハンブルクは気持ちを切らすことなく、守備では相手にプレッシャーをかけ続け、攻撃ではボールポゼッションでシャルケを大きく上回りながら、再三相手ゴールに迫っていく。
そして17分、D・サントスのロングスローに対し、ゴール前でシャルケDF陣が動きを止めたところで、ひとり素早く反応したコスティッチが頭で合わせてゴール。ホームチームが試合を振り出しに戻した。
 
勢いに乗ったハンブルクのなかで、存在感を示したのが伊藤だ。突破力を活かして左サイドを縦横に突き進み、ホルトビーやコスティッチの決定的なシュートを引き出す。
守備では、前線でボールを持つ選手に対して巧みにプレッシャーをかけてボールを奪い、その後のチャンスに結び付けた。
 
ハンブルクは、他にもヴァルトシュミットがペナルティーエリア内でフリーでシュートを撃つなどの好機を得たが、これを活かすことができずに前半を終えた。
一方、シャルケはシュート1本だけで、守備でも集中力の欠けたプレーが目立つなど、順位に見合うプレーは見られなかった。
 
後半もハンブルクは立ち上がりから攻勢。そして、伊藤のプレーはさらに効果を増し、50分には彼の左からのクロスから、酒井がわずかに左に逸れる惜しいシュートを放つ。
 そして52分、伊藤が左サイドを突破し、エリアに入るところでスライディングに来たゴレツカをかわしてグラウンダーのクロス。これにホルトビーがヒールで合わせ、一度はブロックされるも、はね返りをすかさず頭で詰めて勝ち越しに成功した。
 
アシストを記録した伊藤は、54分にもカットインからシュートを試み(ナウドがブロック)、60分にはダイレクトパスでハントの決定機を演出。ここでのハントのシュートはGKフェーマンに防がれ、
こぼれ球をヴァルトシュミットがフリーで詰めたが、ボールはクロスバーを越えてしまう。
 
ハンブルクはチャンスを量産し、守備陣も相変わらず気合の籠ったプレーを見せるが、63分、一瞬の隙を突かれて追い付かれる。
スローインを受けたシャルケのマッケニーのスルーパスでゴレツカに抜け出され、シュートはGKポラースベックが防ぐも、こぼれ球をブルクシュタラーに詰められたのだ。
 
良いプレーを見せても点が取れない、点を取っても守り切れない……そんなこれまでの試合の再現になるかと思われたが、シャルケの縦に鋭い攻撃を何とかしのいだハンブルクは、やや試合が膠着した84分、
ハントが左サイドで右に流れながら、強烈なロングシュートをゴール右隅に突き刺した。
 
土壇場での勝ち越しにホームの観衆が大いに沸くなか、4分のアディショナルタイムも、守備陣の粘り、ポラースベックのスーパーセーブにより、無失点で乗り切ったハンブルク。
難敵相手に貴重な勝点3を手にし、マインツと引き分けたケルンを勝点で逆転して17位に浮上した。
 
まだまだ険しい道のりが続くハンブルクだが、この試合でのプレーが持続されるようだと、残留争いは最後まで混沌の様相を呈することになるだろう。
酒井、伊藤はともにフル出場し、攻守で奮闘して勝利に大きな貢献を果たした。とりわけシャルケに脅威を与え続けた伊藤のプレーはインパクト大であり、残り5試合におけるハンブルクのキーマンにもなるかもしれない。

4/8(日) 4:11配信 サッカーダイジェスト
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180408-00038440-sdigestw-socc

写真
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