BSと合わせ27時間も “五輪専門局”と化したNHKの前のめり
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/223642
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羽生効果で高視聴率を記録(C)JMPA

平昌五輪が真っ最中でNHKは“五輪専門チャンネル”になったかのようだ。

 たとえば19日の月曜は9時5分から深夜24時まで12時間48分ほどを編成。競技の順延や合間のニュースの延長などで変更があるとはいえ、連日五輪一色だ。

 NHKのこういった編成は今に始まったわけではないが、今回の平昌は4年前のソチや2年前の夏季大会のリオと違って時差がないから、視聴者が起きている9時から深夜24時の15時間で8割以上五輪だ。
合間のニュースでも選手のインタビューをやるから「五輪しかやらないの?」という印象を持つ視聴者もいるだろう。BS―1はさらに五輪だらけで総合と合わせても。

 開幕直前まで盛り上がりに欠けていた割に時差ゼロの効果なのか、開会式が28・5%と高視聴率をはじき、競技の数字もまずまず。
週末は土曜正午過ぎからの金メダルを獲得した羽生結弦のフィギュアスケートが33・9%、小平奈緒のスピードスケートが21・4%と高視聴率を連発した。

 民放も鼻息が荒くなりそう。各局ともいくつかの競技を放送しているだけだが、夏季ほど人気のない冬季でも時差がなければ視聴率がいいと確認できた。
当然、2年後の東京五輪は超高視聴率は間違いなし。平昌が試金石となった。

 2年後に向けて今から競技の放送権とスポンサー獲得が加速するのは必至。柔道、短距離、サッカーなど分捕り合戦が激化、CM料が高騰するかも。

 ネットに押されて視聴者離れが進む不況下で、各局とも「東京五輪までは食えるぞ」と息巻いているのではないか。
都心は五輪効果で土地が高騰しているが、20年は東京都とテレビが最後のお祭り騒ぎという気もしなくもない。

(作家・松野大介)