https://www.j-cast.com/2018/02/02320279.html
2018/2/ 2 13:33

歌手のASKAさん(59)がブログで、自己流の方法で突発性難聴が治ったというエピソードを明かした。耳たぶの裏を指で何度も押すというもので、読者にも「試してみてください」と勧めている。
ASKAさんのブログには、「試してみます」「知人に教えました」といったコメントが相次いでいる。しかし、J-CASTニュースの取材に応じた耳鼻科医は、「絶対にマネしてはいけません」と注意を呼び掛ける。その理由は...。

ASKAさんは2018年1月28日のブログで、過去に突発性難聴を患ったことを告白。「実デビュー7〜8年目頃だったかな?ある日、突然右耳が聞こえなくなりまして...」と切り出し、当時訪れた病院では「治療法がない」との説明を受けたと振り返った。

 そこでASKAさんは自己流で対処を始めた。耳の中に「物が詰まった」ような感覚があったことから、トイレが詰まった際に使う「すっぽん」(ラバーカップ)を思いついたとして、「あの(編注・ラバーカップの)原理を、耳に当てはめてみたのです。耳たぶの裏に人差し指を当て、耳の穴に向かって数回連続で素早く押し続けてみたのです。『ぴゅぱぴゅぱ』そんな音がしました」と説明。
その上で、「一瞬、本当に一瞬ですが、(症状が)薄らいだ気がした」ともつづっている。

結果として、ASKAさんは耳たぶの裏を1時間ほど繰り返し押し続けたところ、耳の感覚が元に戻ったという。今回のブログでは「当時、『治療法がない』と言われていた『突発性難聴』が治ったのです」とも断言している。

その上でASKAさんは、「もちろん、度合いによっては、この方法でも治らないこともあるでしょう」としつつも、「僕の友人のケースでは全員元に戻ってます。もし、みなさん『突発性難聴』になられた時には、この方法を、まず試してみてください」と読者にも同じ方法を勧めている。
(中略)
  実際のところ、ASKAさんが紹介した方法は医学的に見てどうなのか。J-CASTニュースは2月1日、耳鼻咽喉科「日本橋大河原クリニック」(東京・中央区)の大河原大次院長に見解を聞いた。

 「非常に問題です。絶対にマネしてはいけません」
取材の第一声でこう訴えた大河原氏。続けて、「(ASKAさんの方法は)骨を触っているだけで、突発性難聴には何の効果もないでしょう」と指摘する。

そもそも大河原氏によれば、突発性難聴の治療で最も大切なのは、発症後1〜2週間以内に適切な治療を受けること。
「逆にいえば、その期間を過ぎてしまうと、難聴や耳鳴り、めまいなどの症状に一生悩まされる恐れが高まります」という。

そのため、今回のASKAさんのブログについて大河原氏は、

 「ご本人がやられる分には、個人の自由なので...。ですが、ブログで紹介された方法を信じ、適切な治療を受けるのが遅くなる患者が出る恐れがあります。
そういう意味では問題があると言えるでしょう。繰り返しますが、皆さんマネはしないでください」と強く訴えていた。