映画雑誌・映画芸術による「2017年日本映画ベストテン&ワーストテン」が発表された。

映画芸術は、1946年に俳優・津川雅彦の伯父にあたる大橋恭彦が編集・発行人として創刊し、1989年以降は脚本家の荒井晴彦が編集長を引き継いできた映画批評専門誌。毎年恒例の「日本映画ベストテン&ワーストテン」には、映画評論家のみならず、監督や脚本家、俳優などの映画人から、劇場スタッフや一般人まで幅広い選出者が参加している。

ベストテン1位には、石井裕也が最果タヒの詩集を映像化した「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」が選ばれた。2位には荒井が脚本を担当した三島有紀子監督作「幼な子われらに生まれ」、3位には映像制作集団・空族の富田克也が監督を務めた「バンコクナイツ」がランクイン。廣木隆一が自身の小説を自ら映画化した「彼女の人生は間違いじゃない」と岸善幸による「あゝ、荒野」が、タイで4位に選出された

ワーストテンでは、第41回日本アカデミー賞の優秀賞を最多10部門で獲得している「三度目の殺人」と「関ヶ原」が1位、2位と上位に。また「あゝ、荒野」「彼女の人生は間違いじゃない」、阪本順治監督作「エルネスト」はベストテンとワーストテン両方にランクインしている。

なお今回より「アニメ作品は対象外」「選者はベストとワースト作品を必ず5本選出」などルールの改定が行われた。各作品の選評やルール改定について荒井が語った総括座談会の模様は、1月30日発売の映画芸術462号に掲載される。

「2017年日本映画ベストテン&ワーストテン」は下記の通り。

ベストテン
1.「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(監督:石井裕也)
2.「幼な子われらに生まれ」(監督:三島有紀子)
3.「バンコクナイツ」(監督:富田克也)
4.「彼女の人生は間違いじゃない」(監督:廣木隆一)
4.「あゝ、荒野」(監督:岸善幸)
6.「禅と骨」(監督:中村高寛)
7.「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」(監督:大根仁)
7.「予兆 散歩する侵略者 劇場版」(監督:黒沢清)
7.「エルネスト」(監督:阪本順治)
10.「月と雷」(監督:安藤尋)

ワーストテン
1.「三度目の殺人」(監督:是枝裕和)
2.「関ヶ原」(監督:原田眞人)
2.「あゝ、荒野」(監督:岸善幸)
4.「彼女の人生は間違いじゃない」(監督:廣木隆一)
5.「鋼の錬金術師」(監督:曽利文彦)
6.「エルネスト」(監督:阪本順治)
6.「美しい星」(監督:吉田大八)
8.「ポンチョに夜明けの風はらませて」(監督:廣原暁)
8.「追憶」(監督:降旗康男)
10.「ビジランテ」(監督:入江悠)
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- 映画ナタリー 2018年1月27日 11:00
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