坂本龍一、JASRACに苦言 「襟を正して透明性の確保を」 (BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
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11/14(火) 11:13配信

日本音楽著作権協会(JASARC)は、映画音楽の上映使用料を引き上げ、映画館から徴収する方針を決めた。「戦場のメリークリスマス」「レヴェナント:蘇えりし者」など、数々の映画音楽を手がけてきた音楽家の坂本龍一さんは、クリエイターへの適正な還元を求めつつも、小さな劇場への影響を懸念している。BuzzFeed Newsは、ニューヨーク在住の坂本さんに、Skypeで話を聞いた。【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】

18万円は非常に低いが…
――JASRACは外国映画の音楽について、映画1本あたり18万円だった上映使用料を興行収入の1〜2%に引き上げ、これまで支払いを担ってきた配給会社に代わって映画館から徴収することを目指しています。いずれは日本映画も同様の契約に改めたい考えです。

18万円は非常に低く、とても妥当とは言えないと思います。映画業界は音楽の価値を認めて、興行収入に連動したインセンティブを導入してもいいのではないでしょうか。

いま音楽だけで生活していけるのは、ごく一部のアーティストだけです。日本ではインセンティブ契約はまずありませんし、(楽曲の)買い取りのような形が主流なので、作曲家は大変です。

だからといって、海外と同じように興行収入の1〜2%にすることがいいのかどうかはわからない。少なくとも僕は、すぐに海外並みに引き上げるべきだ、という意見ではありません。

作曲家の立場からすれば高い方がいいということになるのでしょうが、僕自身が映画に従事する身でもある。

仮にヨーロッパ並みの2%に引き上げたとして、それによって小さな映画館が犠牲になるようでは心が痛みます。

メッセージを出した経緯
――11月8日のJASRACの記者会見では「使用される音楽とその著作者に対しての正当な対価が支払われることが重要」とする、坂本さんのメッセージも紹介されました。坂本さんが、今回のJASRACの方針を全面的に支持しているように誤解した人もいるかもしれません。

JASRACからは「映画業界へ向けてメッセージを出してほしい」ということで依頼書が送られてきました。

世界的に見ても、映画のなかでの音楽の地位は低い。日ごろからその点を問題だと思っていましたし、機会をみて発言してきました。

信頼するイタリアの作曲家、ダリオ・マリアネッリがすでに長いメッセージを寄せていたこともあり、引き受けたのです。

ただ、送られてきた資料には、海外並みのパーセンテージにするとか、劇場から徴収するといったことまでは書かれていませんでした。