ブレードランナー他、なぜいま歴史的SFの新作が次々撮られるのか

 実際のところ、もし知性のある猿やアンドロイドやレプリカントが実在するのなら、人間はとても敵わないのは明白だ。人間が優越性を持っているのは、いまのところ「人間らしい感情」だけだ。

 その人間の感情が、『猿の惑星』では猿よりも愚かで劣ったものとして描かれる。『ブレードランナー』でも、レプリカントのほうが、いい意味での「人間らしい感情」を持ち、人間はその暗黒面が強調される。3シリーズでは『エイリアン』に登場する人間がいちばんまともだが、エイリアンとアンドロイドという2つの敵と同時に戦うにはあまりにも弱い。

 3つの映画は、人間が地球のなかで(宇宙のなかででもある)いかに弱い存在かを教えてくれる。

 その弱い人間が他の動物を支配し、地球の王となって栄えているのは、武器を得たからにほかならない。武器がなければ、いまの私たちは、熊やライオンはもちろん、ミツバチの集団にも勝てない。

 武器を作れたのは脳が発達し思考できるようになったからだ。だが、その思考力も、AIには勝てない。前門の狼、後門の虎ならぬAIだ。

 いま、私たちは、とんでもない岐路に立たされているのだと、3つの優れた娯楽映画と、『サピエンス全史』は教えてくれる。
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