成功の秘訣は?

この秋、映画「アウトレイジ 最終章」、小説『アナログ』、新書『バカ論』がそれぞれランキングで1位を獲得したビートたけしさん(70)。
快進撃はこれにとどまらず、10月17日にはフランスで開催「破獄」がグランプリを受賞したことが伝えられました。
テレビ東京のドラマとしては初のグランプリ受賞だそうです。

その成功の秘訣を、誰もが聞きたくなるところでしょうが、新著『バカ論』のなかで、たけしさんは「バカな質問」の代表格として
「どうしたら漫才師になれますか」「どうしたら売れますか」を挙げて、こんな風に語っています(以下、『バカ論』より抜粋・引用)。

なろうと思ってなれるもんじゃない

最近は弟子になりたい、芸人になりたいという奴とあまり話す機会も少なくなったけど、それでもたまに「どうしたら漫才師になれますか?」なんて聞かれることがある。

バカ言ってんじゃない。

漫才師になるために金を払って学校に入る奴もいるけど、おいらの場合は、流れ着いたところがたまたま芸人だったというだけ。
結果的に漫才師になっただけで、なろうと思ってなったわけじゃない。

大学の機械工学科でレーザーの研究をやろうと考えていた男が、なんで漫才師になったのか――それをまともに説明できる理由なんか、いくら考えてもないんだ。

挫折して挫折して、折れて折れて、辿り着いたのが浅草で、そこで偶然漫才師になった。
おいらはそうやって流れ着いたけど、時代も状況も文脈も違う奴らに「どうすればなれますか?」と聞かれても、答えようがない。

それは役者でも同じこと。

いろんなことをやった末に、偶然役者に辿り着いたという人と、最初から役者を目指してきちんと劇団に入る奴がいる。

「あなた雰囲気があるから、ちょっと役者でもやってみない」と言われて、あれよあれよという間に役者になった人と、
役者になりたくてなりたくて、しがみつくようにして役者になった人の両方がいる。そこに就活のような必勝マニュアルなんてない。

だから、こんな世界では「どうすればなれるか?」なんて、入口のところを一所懸命にほじくり返してもしょうがない。埋蔵金と同じで、そこを掘ったって何も見つかるはずがないんだよ。

http://news.livedoor.com/article/detail/13807998/
2017年10月27日 12時4分 デイリー新潮