10/26(木) 4:59配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171026-00000030-sph-base

 験担ぎ合戦を制し、何が何でも巨人が当てる! 26日午後5時から都内のホテルで開かれる「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、早実(東京)の清宮幸太郎内野手(18)が6球団から1位指名されることが確実となった。初のくじ引き役を引き受けた巨人の高橋由伸監督(42)は、ドラフト用の“勝負ネクタイ”を購入。初参加だった昨年はなかった行動で、交渉権獲得への意欲をうかがわせた。

 運命の糸を引き寄せようと、由伸監督が動いた。1位競合が確実な清宮の抽選に向けて“勝負ネクタイ”を購入したことを明かした。「していくネクタイは決めたよ。昨日(24日)、ドラフト用に買いに行ったんだ」。ドラフト初参加の昨年はくじ引きを堤前GMに託し、ネクタイも「家にあるやつで行った」という。クールな指揮官の、1年前と異なる行動の数々に清宮獲得への熱意がにじみ出た。

 ドラフト数週間前から、「右手と左手、どっちの確率が高いか知りたい」と近年のデータを調査。入念な分析を経て、確率、的中率の高い右手で引くことを決めた。昨年は長期にわたって視察、調査を続けたスカウト、フロントを尊重し、くじ引き役を堤前GMに委ねたが、今回は依頼を快諾。「魅力はズバ抜けている」と評する清宮の存在があるからこその決意と言える。

 新ネクタイで臨む初の大役。指揮官にとって「新」は特別な文字でもある。就任1年目のスローガンは「一新」。今季は「新しいチームを作りたい。その思いは変わらない」と「新化」に決めた。史上最多の高校通算111発を放ったスター候補生は、まさに新しい巨人を作る大きな力となる。

 92年、長嶋監督が4球団競合の松井秀喜を引き当てたシーンは、今でも多くのファンの記憶に残る。“勝負ネクタイ”の色や柄は明かさなかったが、由伸監督から店員への唯一の注文は「テレビ映えのいいネクタイをお願いします」だったという。当たりくじを引くイメージを膨らませているからこそのリクエスト。ほれた逸材との縁を信じ、念じて、引く。(宮脇 央介)

 ◆ロッテ

 井口新監督の指名を受け、2年連続で大役を務める山室球団社長は、昨年は外れ1位で5球団競合の佐々木の交渉権を獲得。今回も右手で1番くじを引く。この日はZOZOのグラウンドに向かうと「去年と同じく、マリンの神様と満員のファンの方を想像して、力をもらえるように願をかけてきた」とお祈りした。

 ◆ヤクルト

 抽選役はSD兼務の小川新監督が務める。過去の抽選は2勝4敗。10年の早大・斎藤の時は代名詞の水色のハンカチを準備するなど、これまでは験を担ぐタイプだったが、結果が伴わなかった。クジを引く腕も「(壇上の)立つ場所にもよる。(球団から)引けと言われたら、やるしかない」と気合十分だ。

 ◆日本ハム

 13年からくじ引き5連敗中の栗山監督に代わり、木田GM補佐が初めての大役を務める。栗山監督は「クビになったのでそれがショック」と、苦笑い。自身も1986年、巨人から1位指名を受けた木田GM補佐は「業務命令です。どうしても欲しい選手を取りにいく。その役目」と淡々。くじ運は微妙だと言うが「いろいろやってもしょうがない。先発の時も投げる前から緊張していてもしょうがないから」と、引く手も右か左かもその場で決める。

 ◆阪神

 金本監督が、15年の高山に続く当たりくじを狙う。「言いません」としたが、18日には「運がいい人と出会って、お参りにいって、当たりくじを引けるようにしたい」と語っており、すでに準備は万全の様子だ。

 ◆ソフトバンク

 王会長が清宮との交渉権獲得を、験を担いで工藤監督の“黄金の右手”に託した。一時は工藤監督が早実の先輩でもある王会長に任せる考えも披露していたが、15年に3球団が競合した高橋、16年に5球団競合の田中を引き当てた指揮官を指名。「彼の強運にね。実績がものをいう。それが順当な流れ。変に策を講じるといかんからね」と説明した。