浅野忠信主演の連続テレビドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)が12日に初回を迎え、平均視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)での発進となった。
同枠の前クールで放送されていた『セシルのもくろみ』が初回5.1%だったことや、“フジのドラマ”であることを考えれば健闘したほうではないか。
というか、正直めちゃくちゃ面白かったので、「なんでこれを“月9枠”で放送しなかったの!?」と、フジを問いただしたい気持ちでいっぱいである。

同ドラマは、漫画家・井浦秀夫氏の同題作品が原作(小学館)で、“犯罪者の心が読める”という特技を持つが、
偏屈な主人公・弓神適当(浅野)と、正義感が強いものの“腹黒さ”も持ち合わせた相棒・羽生虎夫(神木隆之介)という“凸凹バディ”が難事件に挑むというストーリー。

第1話では、女子大生の押田マイ(小倉優香)が歩道橋で死んでいるのが発見される。一旦は本人が誤って階段から転落した“事故死”とされた。
しかし、不審に思った弓神が羽生を巻き込んで捜査を開始。
すると、事件当日にマイと一緒にいた倉間藍子(大後寿々花)の存在や、彼女たちが1週間ほど前に電車内で痴漢した男を捕まえ、
現金を受け取っていたこと、さらにその夜からマイが嫌がらせを受けていた事実が発覚した。

そこで、弓神と羽生は痴漢騒動があった駅を訪れ、当日勤務していた駅員・坂木望(杉咲花)から話を聞く。望と中学の同級生だった羽生が、
彼女との再会を密かに喜ぶ様子は微笑ましく、インターネット上でも「神木くんと花ちゃんってお似合いだね!」などと盛り上がっていた。
しかしその後、マイたちが痴漢から現金を受け取ること常習犯だったことがわかり、直近でターゲットにされていた沢谷(岡田義徳)や、
その妻・薫子(小倉優子)、藍子までも容疑者として浮上したが、真犯人は意外な人物だったことが判明するのだった……。

さまざまな容疑者が浮上する展開は面白かったし、見ていて飽きなかった。フジのドラマといえば、近年は何かと視聴率低迷が取り沙汰され、世間からネガティブな反響を得るケースが多発している。
しかし、今作に対しては「フジなのにつまらなくない!」という興奮を覚えたし、ネット上にも同様の感想が飛び交っていた。

とはいえ、おそらく「フジだから見なかった」なんて層も一定数いたのではないだろうか。それが1ケタ台に留まった要因だと考えてしまう。
私自身も、「神木隆之介がフジのドラマに出る」と聞いた当初は、「神木の無駄遣いになるんだろうな〜」と、端から“爆死”を想像した。もちろん主演の浅野にも同情したが、
「今、世代を問わず人気を博している神木が受けるダメージはいかほどか」と、本気で心配していたのだ。

しかし、実際は原作の面白さ、しっかりした脚本、そして浅野&神木のタッグ、脇を固める出演者やゲストたちによって、非常に良いドラマに仕上がっていた。
こうなると、「なぜこれを月9で放送しなかったのか」が疑問でしかない。今期の月9は、篠原涼子主演の『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』(23日スタート)……。
主人公の主婦・佐藤智子(篠原)が新米女性市議として奮闘するという、どの層を狙った内容なのか謎すぎるドラマだけに、今の枠のままでも『刑事ゆがみ』のほうが数字を取りそうだ。

http://dailynewsonline.jp/article/1364881/
2017.10.13 19:30 ビジネスジャーナル