夫である俳優船越英一郎(56)に対するタレント松居一代(60)の“告発”が連日のように報じられている。ワイドショーを眺めながら「あの旦那も大変だなあ」とヤジ馬的な気分でいる男性もいるだろう。しかし、この騒動は本当に人ごとだろうか。あなたの嫁、彼女、そして浮気相手がいつ“松居化”して、ネット上で牙をむくとも限らないのだ。対処を間違ったあなたには泥沼が待ち構えている。

「2時間ドラマの帝王」と呼ばれていた男は、いまや松居の作り出した「バイアグラ男」というイメージになってしまった。NHK情報番組「ごごナマ」の司会を務める船越に対して「降板」を求める電話が局に殺到しているという。

 同じくネットのトラブルに巻き込まれたのは俳優の西田敏行(69)だ。悪意のあるブロガーによって「西田が違法薬物を使用している」などのうそ記事を垂れ流されたのだ。ブロガーの男女3人は警視庁に偽計業務妨害の疑いで書類送検された。

 スマホとネット環境さえあれば、松居やブロガーと同様の行為は誰でも簡単にできてしまう。関係がこじれた妻や不倫相手、商売敵。誰でも急に恐ろしい本性をむき出しにする危険性はある。悪意が向けられたとき、我々はどうしたらいいのか。

 あれだけの一方的な中傷めいた攻撃に、船越側は声明を出すこともない。身の潔白を訴えるなど反論しないのはなぜか。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「結論から言うと、船越さんの対応は正解。ネットでの誹謗中傷には、とにかく我慢すること」と語る。

 しかし、その間にも新たな動画などがアップされかねない。同時に社会的信用は飛躍的に低下。それを我慢するなんて、なかなか酷な話だ。

「まずは勤める会社や、顧客など重要な関係者に身の潔白の申し開きをしておくこと。同時に、動画サイトやブログ運営会社に弁護士の名前で削除申請すること。自分ではなく、警察や弁護士や裁判所に対応してもらうのが良いでしょう」(井上氏)

 気の弱い小市民はブログやSNSであせって反論してしまいそうになる。だが、それこそ「もってのほか」なのだという。井上氏は「売られたケンカにネット上でやりあうと、感情的になって名誉毀損になることがある。こちらの主張が世間から非難されて『どっちも悪い』と認定される可能性の方が高い。苦しくても無反応でいたい」とくぎを刺す。

 松居の行いは、いずれ民事・刑事裁判になった場合に証拠となる。

「今のところ、浮気相手と行ったラブホの領収書やツーショット写真などの物的証拠が示されていない。社会的評価を下げたので、名誉毀損が成立する。(船越が)NHKの仕事から降ろされたとなれば業務妨害。経済的損失を受けたのは間違いない。大暴れしている松居さんが有利に見えるけど、そろそろ不利になりかねない」(井上氏)

 来るべき裁判で挽回することを考えて、今はひたすら耐えて耐え抜く段階だ。

 刑事事件か民事訴訟に発展し、なんらかの結論が下されたとき、「世間は『松居さんは精神的におかしかったもんね。船越さんはよく我慢したね』と評価を下すでしょう」(井上氏)。しかし、それまでにどれだけの年月を耐え抜けばいいのか…。

 松居の動画は再生回数400万を超えたものもある。これに触発されて「攻撃ついでに金もうけできる!」と思い立った人がいるかもしれない。しかし、井上氏は「(広告にリンクする)アフィリエイト契約した場合、400万回再生でも収益は40万円ほど。(松居のケースは)大物芸能人夫婦だから達成できた数字なので、一般人にこんな回数は期待できない。全くお金になりません」と断言する。

 我々の自衛手段は「動画で悪口を言っても得しないよ。証拠として不利益になるだけだよ」と“松居化”しそうな相手に伝えておくことくらいか…。


2017年07月11日 11時00分
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/707371/