現地時間26日、イチロー(マーリンズ)と青木宣親(アストロズ)がそろってスタメンを外れた。イチローは代打で登場するも凡退。今季の打率を.150にまで下げた。青木は出場機会がなく、今季の打率は.265、出塁率は.313とやや不満の残る数字にとどまっている。

深刻な不調に陥っているイチローに関して現地メディアでは、下記のような“引退勧告”ともとれる論調も出始めている。

「イチロー、アスレチックスファンの前で最後の雄姿か」(マーキュリー・ニュース)

「イチローが老いを見せている。彼の存在が若手のチャンスを奪っている」(ファンサイデッド)


◆ 苦境に立つイチローと青木

今週はアスレチックスとの2連戦で先発機会を与えられたが、8打数1安打と結果を残せなかった。DH制が使えるア・リーグチームの本拠地での試合は7月にレンジャーズとの3試合を残すのみ。レギュラー外野手3人に故障などがない限り、イチローの先発機会は今後もなかなか巡ってこないだろう。

そして、このまま打率1割台から抜け出せなければ、“決断”の時が迫られる可能性もある。殿堂入りが“約束された”選手だけに、マーリンズとしては、イチローをマイナーに降格させるわけにもいかず、イチローへの“プレッシャー”は計り知れないものとなるだろう。

そしてもう一人の日本人野手、青木も苦難の時を迎えている。4月は月間打率.300で終えたが、5月に入ってからは.214と苦しんでいる。先発を外れる試合も徐々に増えており、このまま首脳陣の信頼を失うことがあれば、控え外野手に“降格”となる可能性もゼロではないだろう。


◆ 日本人野手の不在!?

 思い返せば、2001年にイチローと新庄剛志が日本人野手として初めてメジャーに挑戦。イチローは1年目からMVPと新人王に輝くなど、メジャーを席巻した。

 2年後の2003年には松井秀喜もメジャーに挑戦。日本時代からライバル関係といわれてきたイチローと松井は長きにわたり活躍。それぞれのチームの顔としてほぼ毎試合スタメンに名を連ねてきた。しかし2012年に松井が現役を引退。イチローもここ数年は4番手外野手としての役割を全うしてきた。

 一方、2012年に海を渡った青木は、毎年のようにチームが変わり、度重なる故障などもありながら、昨季までレギュラー外野手として実績を残した。その青木も今季は単年契約のため、来季もメジャーでプレーできる保証はない。すなわち来季は21世紀に入って初めて“日本人野手”が不在になる可能性も出てきたのだ。

 果たして、イチローと青木の2人はこの苦境を乗り越えることはできるのだろうか。


【MLBでプレーした日本人野手】
※「☆」は現役
01−☆:イチロー(外野手)
01−03:新庄剛志(外野手)
02−09:田口 壮(外野手)
03−12:松井秀喜(外野手)
04−10:松井稼頭央(内野手)
05−08:井口資仁(内野手)
05  :中村紀洋(内野手)
06−09:城島健司(捕 手)
07−10:岩村明憲(内野手)
08−12:福留孝介(外野手)
11−12:西岡 剛(外野手)
12−☆:青木宣親(外野手)
12−17:川崎宗則(内野手)
13−14:田中賢介(内・外野手)


文=八木遊(やぎ・ゆう)

ベースボールキング 5/27(土) 23:55配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170527-00118188-baseballk-base