打たれた次が一番大事…広島・一岡が継続中の“地味スゴ記録”とは
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2017年5月18日 10:30

 広島・一岡竜司投手(26)が、地味にスゴい記録を継続している。「昨季から2試合連続失点なし」だ。セ・リーグで昨年25試合以上に登板した51投手の中で、継続しているのは一岡、阪神・ドリス、DeNA・三上の3人だけ。記録については「知らなかった」というが「打たれた試合の次が一番大事」という思いを強く持っているという。

 5日の阪神戦(甲子園)で今季6戦目にして初失点したが、次回登板となった9日ヤクルト戦(神宮)では同点の延長10回から登板し1回を無安打無失点。最後の打者・大引を空振り三振に斬ったときには、珍しくマウンド上でほえていた。

 「思わず声が出てしまいました。打たれた次の試合が大事だと、後輩の(高橋)樹也にも言っていたので抑えられてよかったです」と照れ臭そうに笑った。

 15年5月に登板4試合連続で失点。2カ月間、2軍生活を余儀なくされたことを機に、周囲のアドバイスなども踏まえて考え方を改めたという。

 「“次は大丈夫だろう”と簡単な気持ちで次の試合に臨んでいたのを、打たれたその日のうちに反省した上で次どうすればいいか、というのをまとめるようにしました」。自分に合った気持ちの切り替え方を体得し、結果に結びつけている。

 一岡の記録に接するにあたって、感心させられたことをふと思い出した。昨年の秋季キャンプで今村、ドミニカ人の練習生・フランソワ、通訳の3人を伴って一岡が出掛けるところに出くわした。フランソワを食事に誘い「焼肉を食べたい」という要望を聞いて、ごちそうしたという。

 「ケガをして3軍調整をしていたときに一緒に練習をしたのもあって誘いました。僕も海外で野球をしたことがあるけど、いろいろ大変でした。キャンプはそれよりも長いから、もっと大変だと思う。ちょっとした気晴らしになればいいなと。そんなに深く考えてなかったです」

 巨人時代の13年秋にプエルトリコでのウインターリーグを経験したこともあり、外国人選手も思いやることができる右腕。若手投手からの人望が厚いのも納得だ。

 予期せぬことだったが、17日のDeNA戦(マツダ)で一岡は失点を許して2敗目を喫した。心優しき青年が“リベンジ”に燃え、記録を継続させることを願ってやまない。(柳澤 元紀)