JR西日本と沿線自治体が連携し、都市圏の勤務者に、仕事はそのままで地方暮らしを提案するプロジェクト「おためし暮らし」で、
2023年度から和歌山市が加わった。まず地方居住を体験してもらい、その後の本格的な移住につなげる狙いだ。【橋本陵汰】

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークなど働き方に変化が生まれた中、プロジェクトは21年度、
滋賀県高島市と京都府南丹市、兵庫県丹波篠山市の3市で始まった。

 過疎・高齢化の課題を抱える地方への移住を実現させるため、各市は手ごろな賃貸物件を準備。
JR西は通勤時の鉄道利用に応じたポイント還元をし、「駅レンタカー」割引の特別プランなどを用意した。
JR西などによると、1カ月の短期から10カ月の長期までを合わせ、21年度は11件、22年度は23件の利用があった。
和歌山市は23年度から滋賀県甲賀市と共に加わり、5市が対象エリアとなった。

 各自治体をオンラインでつなぎ、10日に開かれた共同記者会見では、それぞれの市長が市の魅力を紹介。
尾花正啓市長は「大阪中心部まで1時間ほどでスムーズに行くことができ、山や川があってレジャーも楽しめる。
移住支援制度もあり、ぜひ市でおためし暮らしをしてほしい」とアピールしていた。

 市は加太と雑賀崎、新通の3地区に最長3カ月利用できる物件を用意した。JR西は今年度から普通運賃に加え、
くろしおなどの特急料金の支援もするという。

 大阪市や神戸市などで働いている人を対象に、募集を開始している。和歌山市での利用希望者の問い合わせは、
市移住定住戦略課(073・435・1013)。

https://mainichi.jp/articles/20230414/k00/00m/040/065000c