二酸化炭素排出量をゼロにしても海面は上昇し続ける…「日本沈没」の可能性はどれだけあるのか

「現在、水位が上昇しているのはヒマラヤなどの山岳氷河と南極やグリーンランドの
氷床が溶けたことが半分、残りは海水の熱膨張によるものと考えられています」

こう言うのは、海洋研究開発機構の鈴木立郎さん。

小学校でも学んだ通り、水は温めると膨らむ。地球の表面に
蓄積された熱エネルギーの90%は海に貯められる。温暖化によって海水が1℃上昇すると体積は0.025%膨張するのだとか。

「今は熱膨張のほうが影響を与えています。ただ、あるところまでくると、
それほど膨らまなくて、それからは氷床が溶ける影響が大きくなる。
しかし、今世紀中に南極やグリーンランドの氷床が全部溶けることはないでしょう。

今世紀中に溶けることはなくても、2200年、2300年以降も溶け続けます。
また、2300年には海水位にして15mを超える水位上昇は否定できません」

◆この100年で海面水位は20㎝上昇…日本も沈んでいるのか?

温暖化による海面上昇が話題になって久しい。ツバルでは海面上昇によって島民が引っ越さなければいけない事態にまで陥っている。
しかし、海は地球全体を覆っているもの。ツバルだけが沈むというのは不自然だ。日本も沈んでいるのか?

「全地球的に、産業革命前と比べて、気温は約2℃上昇し、海面水位は約20㎝上昇しています。もちろん、日本も例外ではありません」

日本の海面も上がっているのか、実感はないけれど。

「もともと日本付近の水位は季節変動が大きいですし、潮汐の変化もある。そのため20㎝ほど上昇しても気がつかないのだと思います。
何も対策をとらなければ、今世紀末にはかなりたいへんなことになる可能性が高い。ツバルだけでなく、日本も安全ではありません」

https://news.yahoo.co.jp/articles/e6940d57bfc6996de63de3a9b9806253ab367111